新原歯科医院

根本先生のブログ

アーカイブ: 4月 2019

歯周病菌と全身疾患

(質問) 歯周病菌が脳梗塞や心筋梗塞などを起こす可能性がありますか? 

     

(答)まず誤解のないように・・・・

 

 心筋梗塞、脳梗塞などは一つの原因だけで起る訳ではありません。 歯周病菌はそれらの病気の原因の一つ、または悪化させる要因の一つになりうるということです。

 

 口の中には良いもの、悪いのを含めて何億もの菌が住んでいます。 口をちゃんと手入れしないと悪い菌によって虫歯は歯周病が引き起こされます。 歯周病で腫れた歯茎の中には沢山の菌が存在しますが、それが歯茎の中の毛細血管を通って全身に広がります。

 

 歯周病菌が血管を通るときに、菌が出す毒素が血管の壁に炎症を引き起こし、血管に傷をつけて動脈硬化を進行させ、血液に作用して血栓の原因になります。 実際に心筋梗塞などの場所から歯周病菌が検出されています。

 

 歯周病が悪化している人は、心臓病のリスクが1.5~3.5倍、脳梗塞のリスクが約3倍弱と言われています。

 

 例えば歯周病を処置しなければ、歯周病菌で血栓を作ろうとするので、それらの病気のために血液をサラサラにする薬を服用していても、薬の効果を低下させてしまいます。

 

 また心臓弁膜症がある場合には歯周病菌が心臓弁に付着して、最悪だと命に関わることもあります。

 

 それなので心臓弁膜症がある場合は歯科治療前に抗生物質を服用することもあります。

 

 最近では、心臓病や脳疾患の治療をする前に歯周病や虫歯をしっかりと治療するように指示されるようになってきています。 逆に言うと、そのような指示を出す病院はちゃんとしているとも言えます。

 

 歯周病は全国民の約80%が罹患していると言われています。 

 

歯周病を簡単に言うと歯周病菌が歯や歯茎に付着し、その炎症によって歯を支える歯茎やあご骨がダメージを受ける病気です。 実際に抜歯の原因の40%以上が歯周病です。

 

(質問) 歯周病の見つけ方は? 

 

(答)歯周病はサイレントキラーとよばれ、初期はほぼ症状がありません。  

           

もし歯茎から出血する、歯茎が腫れぼったいなどを感じたらなるべく早く歯医者に診察してもらいましょう。

 

それよりも、悪くなる前に歯医者で定期検診を受けるのが一番ですし、悪化させないための一番の予防策です。

 カテゴリ:歯の諸々

指の話

国語力が試される文章を書いてみる・・・自信はないが・・・・

 

柱を立てるためにてっぺんにロープを縛り、引っ張ると仮定してみよう。

ロープを引っ張ると、ロープはピーンと一直線に張る。

 

さて、手のひら(掌)を上に向けて指を閉じてみよう。

指が指先から巻くように閉じてくるだろう。

 

指は「指先の部分」「中間部分」「根元の部分」の三つの部分(親指は二つの部分)とそれぞれの間の関節から成り立っている。

 

指を閉じるためには指それぞれの「部分」が筋肉に引っ張られるのだが、筋肉は指のそれぞれの「部分」と直接には繋がってない。

 

指を閉じる筋肉は手のひら、または前腕(肘から手首の間)にあり、指の各部分と筋肉は腱が繋いでいる。

 

先ほどの柱の話に重ねると、柱が指、ロープが腱(筋)、筋肉がロープを引っ張る力ということになる。

 

さて、もう一度手のひらを上に向けて指を閉じてみる。

果たして指を引っ張る腱は、柱を引っ張るロープのように一直線に浮き出るだろうか?

当然そんなことはない!

 

指を解剖すると、なぜ腱が浮き出てこないかが分かる。

 

指の関節部分は膜で覆われており、その膜の下に指を引っ張る腱が通っている。

いわばその膜がフックのような役割を果たして腱が浮き出ないようになっているのだ。

 

 

解剖学で指を解剖したことがある。

何も考えずに使っている指だが、見えない皮膚の下にこれほどにも精密な仕掛けがあるのを目にした時には感動を覚えた。

 

 

しかも指は前後左右に自由に動かせるように筋肉と腱がいろいろな角度と位置に配置されており、その力を伝える腱が浮き出ることのないように小さな仕掛けが施されているのだ。

 

 

話が急に飛ぶが、生物は環境に合わせて進化が起きた、と聞くことがある。

 

それでは、指は腱が浮き出ると邪魔になるからフックのようなものが出来たのだろうか?

指に意思でもあってそうなったのだろうか?

 

 

それなら海辺に住む人間は指の間に水かきのような膜があればもっと漁ができるはずだし、山間部に住む人間は羽があったほうが便利だ。

いや、環境に応じた様々な機能や身体部分を持った人間が出現していていいはずなのに・・・・・

 

 

指を引っ張る「腱」とそれが邪魔にならないようにするフックのような膜を見た時に進化とは違う何かがあったのではないかと考えてしまった。

 

 カテゴリ:体の不思議

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