いろいろな痛みがあります。ひりひり、ズキズキ、じわ~っ、・・・。鈍痛、激痛、疝痛・・・。歯の痛みにもいろいろあって、その痛み方によって、何が起こっているか判断し、診断することが出来ます。 ズキンズキンと脈を打つような痛みのときは、虫歯の痛みではなく、歯周になんらかの炎症がおきていることによるケースが多いです。冷たいものにしみる時は虫歯が原因であることが多いです。 今回は冷たいものにしみる時、どんなことが考えられるか書いてみます。 まずは、深い虫歯です。 左の歯のように、虫歯が進行して歯髄(神経)に接近、歯髄が炎症を起こし始めると、冷たいものに歯が触った瞬間~1~2秒程度しみて痛みますが、すぐおさまります。 これは歯髄充血です。
この時点で治療すると、まだ神経を取る治療をせずともよい(詰め物、かぶせものは必要ですが)ことも多いです。 それを放置しておくと、しみる痛みが強く、長くなってきます。さほど冷たくない水にもしみて、痛みが数分、或いはもっと長い時間続きます。
そのうち何の刺激がなくとも、痛みが出るようになり、叩いても響くようになります。 急性歯髄炎です。多くのケースで根管治療(歯髄をとる治療)になります。 それを我慢し続けると(我慢強い人が結構います)、冷たいものにしみなくなり、熱いものにしみて強い痛みが残ります。冷たいものをあてると、逆にいたみを軽く、或いは一時的に痛みがなくなりおます。
これも根管治療です。それも我慢すると(本当に我慢強い人がいますね)、歯髄が壊死してしまい、痛みを感じなくなります。 しかし、それを放置しておくと、いずれ壊死した歯髄が悪さをします。根の先の穴から細菌が歯槽骨に広がり、化膿して骨の中で膿がたまり始め、それが歯槽骨を圧迫して、ズキズキと脈を打つ痛み、顔が大きく腫れることもあります。
これはもう虫歯の痛みではないですね。みなさん、本当に我慢しすぎないで下さいね。それだけ我慢強いのなら、歯の治療なんて、なんてことないではありませんか? 虫歯で冷たいものにしみる時の話をしました。虫歯でなくとも歯がしみたり、歯髄炎をおこすこともあります。同じ痛みでもいろいろな違う原因でおこる事があります。また、次の機会に話しましょう。