虫歯の治療を終えてから冷たいものにしみるようになることがあります。大きな穴が開いていて、自分で虫歯を自覚していたかたは、理解しやすいかもでしょうか。
自分で気がつかないうちに深い虫歯になっていることも多いですが、虫歯が小さくとも治療後にしみるようになることがあります。
虫歯を取り除いた後には健全な象牙質が露出します。象牙質は、麻酔をしていない状態では非常に敏感です。ちょっと触っても、神経にさわられたような痛みを感じます。
冷たい水や、風をかけただけで、とってもしみます。そのむきだしになった健全な象牙質をカバーして、歯の形をもとに近い状態に戻して、治療は終わります。
その削り方や詰め物、かぶせものの形などは、以前書きましたが、治療マニュアルに従って行います。
金属のインレーやクラウンを入れると、金属は熱を伝達しますから、歯の象牙質(元は、熱をさえぎるエナメルにカバーされていましたが)は以前よりも早く熱の変化を感じて、しみるのです。
虫歯は歯髄まで侵されるほど深くならなければ痛みません。ですから、そこまでは深くなかった虫歯を治療すると、前はなんの痛みもなかった歯が冷たいものにしみるようになって、疑問を持たれる患者さんは多いです。
残念ながら一度虫歯になった歯を元通りになおすことは出来ません。どうしてもこういった副作用が出ることがあるのです。
でもほとんどのケースで、象牙質に2次象牙質というものが作られて、しみなくなってきます。人間の身体はほんとうに神秘的と言ってもいいくらい、よく出来ていますね。
でもその素晴らしい身体を少しでも傷つけず、健全に保って頂きたいものです。