大学で小児歯科のクラスで習った事です。小児歯科医の最大の敵は患者さん(子供)の御両親(または保護者)です。
言う必要のない事、言ってはいけない事を子供に言って、歯医者に来る前から歯医者はこわいものだと思い込ませてしまいます。おまけに診療室に子供と一緒に入りたがります。
「歯医者に行こう、怖くないから大丈夫だよ!」歯医者がなにかもわからない子供に、まず、歯医者って怖いかもしれない、と思わせる言葉です。「痛くないから」・・・、えっ!痛くされるのかなぁ?
「いう事きかないと、歯医者さんにつれてくよ!」・・・、最悪です。やっと治療を終わらせると、「痛くなかったでしょ?」・・・次は痛いのかなぁ?「よく我慢できたね」・・・等々。
「歯医者に行けば、虫歯を治してくれるだけじゃなく、帰りにおもちゃまでくれるんだ、」くらいのこと言っておけばいいのに、よけいな事を話してかまえさせてしまわないように気をつけて下さいね。
終わってからも特に変わったことしてないわけですから、普通に、「歯を強くしてもらってよかったね」くらいにして、大げさに「頑張ったね!」とか、事を大きくすることないんです。歯医者に行くことを、特別なことにしないようにすることが大切です。
そして、日本でもそうだと思いますが、アメリカの小児歯科では、絶対に保護者を診療室に入れません。子供が甘えてしまうからです。親が助けてくれると思うのです。一番いい方法は泣くことだと、子供たちは経験上知っています。親もそれには弱いんですね。
私も娘が小さい時に、スイミングスクールでの練習を見学に行ったときに、かわいそうで(まだ泳げない頃で苦しそうだったんですね)、もうスイミングスクールやめさせろ!などと言ってしまった覚えがあります。(恥ずかしいですが)
小児科の先生たちは、子供たちが怖がらないよう、痛くないよう、歯医者を嫌いにならないように治療する方法を学んで来ています。そのじゃまをしないように親御さんたちも気を付けなければいけないことを知っていただきたいと思います。
ちなみに私は小児歯科の訓練は受けておりません。出来れば、当クリニックにはお子さんをお連れにならないようにして頂ければ幸いです。私は子供が歯医者嫌いになった理由になりたくありませんから。(まことに申し訳ありません)