映画「300」の続編をツタヤで借りて来て観ました。相変わらずの迫力満点の映像でした。「マラトンの戦い」のエピソードが入っていました。近代オリンピックのマラソンの元になったお話ですね。なぜか「走れメロス」を思い出しました。
私は高校生の時に、太宰治にハマりまして・・・、かなり読んだなぁ。当時文庫本で出ていたものは大部分読んだように思っていました。
やはり始めは、多くの方がそうだったんではないかと思いますが、人間の切ないまでの弱さを描いたような作品に心を奪われました。
ダズ・ゲマイネ、人間失格、桜桃・・・、その頃は音楽も暗~いブルースばかり聴いていたり、そんなに長い期間ではありませんが、暗い人間だった時期がありましたねぇ。岩波ホールで「旅芸人の記録」とか観て、「うぅ~~~ん・・。」とか唸って見たりね・・・、若気の至りです。
でも太宰治の本をいろいろ読んでいくうちに、彼の作品に全く違う傾向のものが多くあることに気が付き、またそれが面白かったのですね。もう殆ど内容は覚えていませんけど・・・。
「走れメロス」は私たちの頃小学校か中学の教科書に載っていたんじゃなかったかなぁ?定かではありませんが・・・。そうだよなぁ・・・、あれも太宰治でしたよねぇ。
「マラトンの戦い」とは関係ない話なのですが、マラトンからアテナイまで勝利を伝える為に必死で走った伝令のように、「走れメロス」の主人公は友情の為に命をかけて走ったのです。
調べて見ると、太宰はギリシャ神話のエピソードと、ドイツの詩人、シラーの詩からヒントを得てこの作品を書いたそうです。
彼が比較的健康だったころに書いたのか、とても健康的で前向きな作品も多々あります。「富岳百景」、「津軽」・・・。
特に好きだったのは「新釈諸国噺」ですね、他にも「お伽草紙」、そして「走れメロス」・・・。
この作品のように、古い話をアレンジして、ユーモア溢れる短編を書くのがとても上手な作家でした。またそういう評価が高いようです。「晩年」の中にもそういう短編がありました。
ハッピーエンドばかりではありませんでしたが、希望の溢れる作品も多くあったですね。
今の私は、メジャーコードをこよなく愛する人間なもんですから、「走れメロス」は大好きな作品です。最後の文章は、「勇者はひどく赤面した。」です・・・、夢中で走り続けているうちに殆ど裸になっていたことも忘れていたメロスに、少女が緋色のマントをかけてあげたときのことですね。