遅ればせながらですが、先週の(11/22)W世界タイトルマッチのレポートです。圧倒的な強さを誇るローマン・ゴンザレス選手はフィリピンのフェリテス選手と、そしてボンバーレフト三浦隆司選手はメキシコの世界ランキング一位の強豪ブエルタ選手と戦いました。
結果は二人とも6ラウンドでTKO。強かったですねぇ。
二人ともはじめの2ラウンドくらいは結構相手のパンチも貰っていましたから、特に三浦選手はどうなるのか?とやや心配したシーンもありました。
次の日の新聞で、大橋会長がロマゴンはパンチを貰ったように見えても上手くすかしていてダメージは無かった、と言っていましたが、ほんとかなぁ・・・。
見ていて、やはりパンチ力の差が結果として表れたように思います。三浦選手は徹底的にボディーを狙い(ややローブロー気味ではありましたが)着実にブエルタ選手の体力を奪って行きました。
ゴンザレス選手は自らを「ハンター」だと言っている通り、ほぼノーモーションの短いストレート、フック(ショートでもかなり重そうなパンチです)を的確に決めて相手のダメージを積み上げて行きます。相手のパンチを怖がらず前に出、少々貰いながらも、さらに強いパンチを当てていました。
6ラウンドには、もう、どちらの試合もどこでレフェリーがストップするか?と言う流れになりました。三浦選手は内山選手に惨敗したときよりも数段強くなっています。本人も実感しているようです。
ゴンザレス選手は、ただただ凄い!八重樫選手は彼相手に、よくあれだけ頑張ったものだと今更ながら感動します。おそらくすぐにでも階級を上げてスーパーフライのタイトルを狙うんでしょうが、井上尚弥選手はとんだ強豪を同時代に持ってしまいました。
あの強さはバンタム級まで上げても全く問題ないんじゃないかなぁ・・・。さて何階級制覇することになるのやら?いままで相手に逃げられ続けて、マッチをなかなか組めなかった理由がよくわかります、本当に圧倒的な強さでした。誰もこの選手に勝てる気持ちはしないでしょう。
試合後も、直ぐに相手の後を追い、敗者を労っていました。素晴らしいチャンピォンです。対して、三浦選手はレフェリーが試合を止めた後、写真やファンへの挨拶、いろんなセレモニーで大忙し、負けたブエルタ選手はコーナーでそれをずっと待っていました。(直ぐにリングを離れる選手も中にはいます。)
そして認定書授与だったり、最後の勝者インタビューが終わったのを見て、ブエルタ選手の方から歩み寄り、チャンピォンを称えに行きました。彼はトップコンテンダーだったわけですが、素晴らしい敗者でした。
ブエルタ、フェリテス両選手とも相手の強さを正直に認めました。またそれがハッキリ分かる試合でしたね。
インタビューでゴンザレス選手は次のターゲットとして、井上尚弥選手の名をあげました。アナウンサーは井岡選手の名も出しましたが、彼の名前はゴンザレス選手からは出ませんでしたね。井岡選手も彼とはやりたくないでしょう。さて、井上君、大変な相手がスーパーフライに来るぞぉ!
三浦選手は次は内山選手との再戦を熱望しているようです。また内山サイドも乗り気のようですが、私個人的には、もう少し待ってほしいんなぁ。興行としては盛り上がるんでしょうけれど・・・。
これだけ強いチャンピォンが二人、日本人としてはスーパーフェザーって結構重いクラスですし、これくらいの階級になると、世界でも注目されます。だからもう少し外国の選手とやって、こういう強さを世界に知らしめてから大々的にやって貰いたいんですが・・・。
日本では格闘技はあまり人気ありません。この日もこんなにいいカードなのに空席が目立ちました。イギリスでは、あのサッカーの聖地、ウエンブレースタジアムで世界戦をやったりします。なんと8万人のお客さんがボクシングの試合の為にウエンブレーを埋めるのです。
そこまでは行かなくとも、内山vs三浦はもっと世界に注目される試合にしてほしいなぁ・・・。
補足ですが、当日世界戦の前に、アンダーカードとして、バンタムに階級を上げた赤穂亮選手の試合もありました。悲しいかな、テレビではその試合のハイライトも、またなんのコメントも出してくれませんでしたが、彼も自慢の豪打でガルシア選手相手に4ラウンドTKOだったそうです。
マジカルボックス・佐藤洋太選手に翻弄されて敗れてから2年かな?彼も再度世界に彼の強打を披露するチャンスが近づいて来ているようです。これも期待したいなぁ。