またナルへ行ってしまいました。ヴォーカルの畑さんとシェラーさんがピアノのリン・ヘイテツ君とギターの平岡雄一郎さんをバックに歌います。
畑路子さんは何回か聴いていますがシェラー・ひさみさんは初めてです。初めてなのになんか前に聴いたことがあるような気が・・・、デ・ジャブーじゃないですが不思議な感じで聴いていました。
畑さんが一番手でした。相変わらず落ち着いた、そして言葉を大切にして歌ってくれます。そういう歌はとっても聴きやすい・・・、って言うと変ですけれど、心地よく音楽に浸れます。
美紗子さん(ご存じ、ここのオーナーです)も「上手になったわよねぇ・・・、」と褒めていらっしゃいました。(殆ど満員だったので、カウンターで美紗子さんの隣で聴かせて頂きました。)
1曲目だったか、「How about You」を歌ってくれました。有名な歌なんだけど、意外にライブではあまり聴きませんね。たまたまビング・クロスビーとローズマリー・クルーニー(ジョージ・クルーニーの叔母さんらしいです。)のデュエットアルバムに入っているのを持っていまして、これがすごくカッコいいんですね。
二人で声を重ねながら、歌詞もいろいろと面白く変えて楽しめる演奏になっています。このアルバムの中では「スローボート・トゥー・チャイナ」もすっごくいいです。
畑さんの事だから、少し歌詞をアレンジして来るかな?と思っていましたが、オリジナル通りに歌っていました。こういう歌詞の歌だから、けっこう歌詞を代えようと思えばやりやすい歌ですね。
でもあまりいじりすぎるのも、どうかと思いますし、この夜の畑さんは王道を行きました。それもとっても良かったです。
シェラーさんもとっても聴きやすい、畑さんとは少し声、歌い方が違いますが、やはり発音も音程もしっかりだし、いいフィーリングのある歌を聴かせてくれました。二人とも、ちょっとだけ、それもいいところで軽くフェイクを入れます。計算しているのか、そうなっちゃったのかは解りませんが、これくらいが心地よいです。
「Rose」を歌いました。短命だった伝説的なロック歌手、ジャニス・ジョプリンの伝記映画の主題歌ですね。この歌はメロディーが淡々と流れて行く曲です。いい歌ですから歌うヴォーカリストは多いですね。でも、こういう曲はやって見ると意外に難しいのかも知れないのかな?と思います。歌ってみればベット・ミドラーのすごさが解る、そういう曲ですね、
こう淡々したメロディーのバラードを歌いこなすのは大変です。歌う人は多いけど、なかなか伝わって来ないことも多いように感じていました。でもシェラーさん、見事に思いを歌にのせて、伝えていたんじゃないでしょうか?
シェラーさんは広島在住の方で時々東京に来てライブをするそうで、代ナルにも何度も出演しているそうなんですが、初めて聴かせてもらいました。二人の大人の歌手の歌はとても安心して聴けるし、また聴きごたえのあるライブでした。
バックの二人も、ソロではもちろん、歌の裏でも時折ちょこっと聴かせるフレーズを入れて楽しませてくれます。1セット目の終わりで、既にほぼ満員のお客さたちは大盛り上がりでした。
平岡さんもリン君も何度も聴いていますが、実は殆ど歌伴での演奏しか聴いていないかも知れません。機会があれば彼らのインストのライブも聴いて見たいですね。来月は浅草でリン君のライブがあるみたい、行ってみようかな?
平岡さんは前に話をしたときに、(私はギタリストの中ではアール・クルーと並んで、タック・アンドレスが大好きなのですが)なんかタックに近い音を聴いたように思いまして、もしやタック・アンドレスの影響を受けているのか聞いてみたんですが、全く違っていました。彼はジャンゴ・ラインハルトに傾倒しているんだそうです。あ、そうだよね、って感じです。この日は十分にそのサウンドが聴けました。素晴らしいですね。
さて今月も、もう終わりですが、少しライブに行きすぎましたかな・・・?少し反省しないといけないかな・・・。でもやはり心地よいですからねぇ。ついつい仕事帰りの足が・・・。