月曜の銀座スィングで父子会をしたときに、田辺君が「19日の木曜に浅草スマイルに出るんですけど・・・」と話して来ました。知ってるけど今日聴いてまた木曜ってのもなぁ・・・、と思ったのですが、「内緒なんだけど・・・、すごいお客さんが来るんですよ・・・。」と教えてくれました。
どうしようか迷いつつ、木曜の仕事が終わってからスマイルさんに電話してみると、まだ席があるとのこと。ついつい浅草で途中下車してしまいました。
ほぼ満席でした。私はステージ横のパイプ椅子の席です。そのあともお客さんが入って来て、ママさんが補助いすを出して席を作っていました。
田辺君と織絵さんのファンの方々が多いようで(当たり前か)、二人ともお客さんに挨拶、お話をして歩いていました。私のところにも来まして「今日、木住野さんも来るそうですよ。」と教えてくれました。
少し遅れて1stセット始まります。田辺商店のお二人、チューニング中です。奥にお子さんのハロちゃんがお友達と遊んでいますね。いつの間にかピアニストの木住野佳子さんもいらして、後ろの席に座っていました。有名なジャズファンの「ご隠居」もそのボックスにおられます。
静かに?(田辺充邦君のMCから)ライブが始まりました。このチェロとギターのデュオは優しいハーモニーを奏でます。時折ご主人の速弾きや、カッコいいコード弾きでお客さんを唸らせます。奥様も負けてはいませんよ。
最後にこの店のオーナーの井川さん(中堅のドラマーですね)が参加して2曲ほどやって1セット目が終わりました。なんか田辺君、気合入ってる感じの演奏でした。
いつもは1セットだけ聴いて帰る私ですが、織絵さんに「そんな勿体ない事・・・・・、」と言われて、残りました。酒が進み過ぎないように気を付けなくてはいけませんね。
休憩時間に、また何人かのお客さんが入って来たぞぅ・・・、と思いましたら、田辺君が言っていた「あの人」でした。ママのエミさん(ジャズ・ヴォーカリストです)とハグをしてから、木住野さんがいるボックスに座り、歓談中です。
さてセカンドセットが始まり、田辺君のMCがさえます。ギターとMC、どっちが本職か?と言われる彼の話は(何度も聞いた話もあるのだけど)みんなの笑いを誘って、いっそうライブが盛り上がって来ました。
私の大好きな「奥様は魔女のテーマ(Bewitched)」をやってくれました。曲名を聞いただけで私は大拍手です。彼のCDにも入っていますが、アール・クルーもこの曲やっています。
メロディーが、ジャズにピッタリのお洒落な曲だと(私個人的に)思っています。このメロディーからアドリブに入ると、なんかどんどんカッコいいフレーズが膨らんでくる気がするんです。あまり管楽器には合わないかもしれないなぁ、でも弦やピアノにはぴったりはまります。
私もついつい声を発してしまいました。「いいぇ~~い!」と叫んでこの曲が終わりますと、田辺君、「さて皆さま・・・、今夜、素晴らしい方々がお見えです!」と紹介したのは、上原ひろみさんでした。
アメリカをベースにして世界中で活躍されている、日本では、One of the most famous jazz pianist でしょうね。どういう関係か知りませんが、日本に来るとこのお店に遊びに来てくれるらしいです。
これだけ有名な人ですと、肖像権の問題とか出て来ますから、田辺君、「もし皆さまが、約束事・・・、写真、動画を撮らない・・・、などのことを守って下さったら、きっとステージに上がってくれると思います」と話しかけました。たまたま遊びに来て、ちょっとだけ一緒に演奏する、という形です。
ドラムの井川さんももうすでに上がっていましたが、上原さんを交えて4人の演奏が始まりました。いやぁ、ド迫力でしたよ。「このピアノ、調律してないね・・・、」とかはじめのタッチのあとに呟いていましたが、それを気にせず?さすがの速弾き、情熱的なフレーズの数々が出て来ます。
田辺君も負けてません、速弾きで返します。井川さんの迫力あふれるドラミング、織絵さんも速弾き、そして時に柔らかい音色の演奏で応えます。
2曲やったあと、最後のC-Jamブルースでも(この曲、ライブの終わりにメンバー紹介しながらバックの演奏で簡単に終わるのに使われるのが普通なのですが)会話のような、バトルのような演奏を暫く続けてくれました。これはラッキーです!
いやぁ、万雷の拍手の中を笑顔の上原さんが席に戻ってライブも終わりです。でもやはり少しづつ飲んだり食べたりしてしまい、なんか「ブルーノート」で上原さんのライブやるときと同じくらいの値段になっちゃったかも・・・、でもまぁ、この小さな箱で目の前でこんなに素晴らしい演奏を聴き、観れたんですから、「良し」としましょうか。浅草の夜は熱かったぜい!