2試合とも素晴らしい試合でした。そして高山勝成選手、井岡一翔選手、ともに激戦に勝利し、高山選手は防衛、井岡選手は3階級制覇となるタイトル奪取です。
高山と戦ったファーラン選手、井岡と戦ったレベコ選手、二人とも素晴らしいファイターでしたね。敗れましたが、最後まで素晴らしいファイトを見せてくれました。
高山選手は残念ながらパンチ力はいまひとつ、しかしものすごいガッツと手数で相手に付け入るスキを見せませんでした。7ラウンドに左、8ラウンドに右瞼をカットしましたが、8ラウンド終了時には血まみれになりながらパンチを出し続けました。
負傷判定となりましたが、勝ちは揺るがないと思いましたが、彼はまるで敗者のような表情でした。最後まで戦いたかった・・・、倒して勝ちたかった・・・、事が出来なかった悔しさでしょうか?
これだけの素晴らしいファイトを見せてくれたチャンピォンには大きな拍手を送りたいですね。彼は30歳を越えて高校に通っています。その同級生たちが応援に来ていたのも、なんか感動しました。
井岡選手は強くなりました。正直、この試合は少々分が悪いんじゃないかなぁ?と思っていたのですが、見事に私の予想を覆す素晴らしい成長ぶりを見せてくれました。
8連続防衛中の強打者を相手に、恐れを見せずに打ち合って、その打ち合いに勝ちました。彼はディフェンスが素晴らしいんですね。いつも試合後に綺麗な顔をしています。
お互いに左のレバーブローを武器にしています。井岡選手の左が何度かチャンピォンの右わき腹を捕らえましたが(少し浅かったこともあるのか?)、結構効いていたはずですが、チャンピォンは攻撃の手を休めずに強打を振り回し続けました。
井岡選手はいい距離を保ちながら、時折踏み込んでいいパンチを何発も入れます。レベコ選手はガードの上からでも構わずフルスィング、一発で相手を倒せるようなパンチですが、井岡選手はかわし続けましたね。いくつか貰ってはいましたが、井岡選手は意外に打たれ強いのかも知れません。
クリーンヒットの数は間違いなく井岡選手が上でしたが、あの強烈なパンチをかいくぐりながらのパンチは少し威力がなかったか?またレベコ選手のガッツが井岡選手のパンチに威力がないようにさえ見せたのか?判定がどうなるのか?ジャッジペーパーの集計に注目が集まりました。
そして、判定は一人がドロー、二人が井岡支持でした。2-0で涙の3階級制覇となりました。これだけの豪打を誇る強いチャンピォンからのタイトル奪取には世界が驚いたんではないでしょうか?また一人強い日本人チャンピォンが生まれましたね。これからが益々楽しみになりました。
この素晴らしい2試合に水をさしたのは、中継陣です。高山戦・・・、7ラウンドで左、8ラウンドには右と高山選手がカットした事に、アナウンサーも解説の二人の元王者もなんのコメントもしませんでした。8ラウンドにおそらく場内アナウンスを聞いたのでしょう。アナウンサーが「彼のカットは偶然のバッティングによるものです。」と、簡単に伝えただけでした。
wowowの「エキサイトマッチ」なら、すぐに「あ!カットしましたね!」とかコメントしてくれるんですけど・・・。瞼をカットすることはその後の試合に大きな影響を与えます。ちゃんと言わないとなぁ・・・。
井岡戦では、俳優さんを(私は疎いんで誰だか知らないんですけど、有名な人なんでしょうか?)リングアナウンサーに使ったのはいいけれど、彼は上がってしまったのか、レベコ選手の名前を忘れてしまってラストネームが出て来ませんでした。お粗末な演出と言わざるを得ません。
せっかくの凄い試合でしたから、少し残念な中継でした。