いやぁ・・・、また一人素晴らしいボクサーが出て来ました。プロ転向後わずか5戦目で世界タイトルをとってしまいました。田中恒成選手です。
まだ19歳、高校時代にはインターハイ、国体でライトフライ級の王者だったそうです。井上尚弥選手を越えるか?と期待されていた新人ボクサーです。
実は私は彼の事は殆ど知りませんでした。中京の畑中ジムジム所属の田中選手のことは、井岡選手や井上選手程はメディアが取り上げませんでしたから、情報が伝わって来ませんでした。
スポーツ新聞でもテレビのニュース等でも扱いは小さく、どんな選手なんだろう?と興味津々で今日の試合をみました。
凄い!全盛期の長谷川穂積選手を思い起こさせるような素晴らしいフットワークとボディバランスからショートの連打、大きなフック、鋭いストレート・・・、あらゆるパンチを繰り出してきます。19歳とは信じられないようなボクシングセンス溢れるファイトを見せてくれました。
ただ、相手も強かったです。メキシコのイエドラス選手は素晴らしいファイターでしたね。かなりパンチを貰い、ぐらつくシーンもありましたが、相打ちを物ともせずに前に前にと出て来て田中選手を脅かせました。
6ラウンド目には田中選手、あわや?と思うようなところまで打ち込みます。解説陣もやや心配しながらの中継になりました。
しかしそこからまた踏ん張って、田中選手はフットワークを使って自分のペースに戻しました。でも結構打たれましたね。
イエドラス選手は右目の下を腫らしながらも前に出てパンチを繰り出します。田中選手も連打で応酬、素晴らしいファイトになりました。
結果、3-0で田中選手が新チャンピオンの座を掴みましたが、本当に両選手に拍手を送りたい記憶に残る素晴らしい試合でした。
いやぁ・・・、こんな選手がいたんですね。ゲスト解説者として、3団体の世界ミニマム級タイトルをとった高山選手が来ていましたが、彼は現役のIBF世界ミニマム級タイトルホルダーです。近々統一戦と言うことになるのかなぁ・・・。きっと凄い試合になるでしょうね。
でも私はここで日本のボクシング界に一つ苦言を呈したい。育ちざかりの若いボクサーになぜ無理な(?)減量を強いるのでしょう?高校でライトフライ級だった選手をどうしてミニマムまで落とさせるんだろう・・・?
成長期の若者なら、逆に階級を上げて行くべきではないんだろうか?海外ではアマチュアがプロになるとき階級を上げて来ることは珍しくないように思います。
身体が成長している19歳です。解説の飯田元世界チャンピオンが「田中君はかなり減量がきつかったと聞いていますので、スタミナが心配です・・・」とコメントしていました。
井上尚弥選手もミニマムで苦労しましたが、二つ階級を上げてライトフライ級のタイトルをとった試合では凄い能力を見せてくれたではありませんか?
日本最速の5試合目で・・・、だとか、そんな事にこだわらず、これだけの素晴らしい素材を大事に育てて行くべきだと私は思います。そうして欲しいと切に願っているのです。何が本当に大切な事なのか?という事を考えてほしいなぁ・・・。私の個人的な意見でありますけれどね・・・。
しかし、本当に日本のボクシング界史上最強のボクサーがそろった黄金時代になって来ました。これから楽しみだなぁ・・・。