9月5日の土曜日、スティーヴ・ガッドを観て来ました、聴いて来ました。
午後、早めに錦糸町のサウナでのんびりして、さぁ有楽町の国際フォーラムへ、と思っていたらサウナのロビーでGtくんとばったり。「早いじゃん?」とGtくん、「これからあれに行くんだよ、ほらお前に切符貰ったやつ」、「おぉ!そうか、じゃぁまたな!」と言った会話のあと駅に向かいました。
そう、今年もGtくんのおかげで最高の音楽を聴くことが出来ました。今年はどのライブにしようか?と東京ジャズのサイトをチェックしましたが、ガッドの名前を見まして、もうこれっきゃない!と即決でした。
かなり前のことですが、漫画少年、青年だった私、「コータローまかり通る」と言う漫画がありまして、(つまらない話で申し訳ありませんが)ま、知ってる人はわかる(当たり前ですが・・)んですけれど、いろんなシリーズがありまして、その中の「バンド編」と言うシリーズでなんとスティーヴ・ガッドが最高のドラマーとして紹介されていました。
それが彼の名を始めて知った機会でした。作者の蛭田さんは物凄い音楽好きだったようで、いろいろな名前が出て来ましたが、私は(いまでもあまり変わりませんが)音楽は好きでしたが知識には乏しく、「へぇ~~、そうなんだ・・」と思うくらいの感覚しかありませんでしたが・・・。
その後しばらくしてから、スィングジャーナル社(もう廃刊になってしまいましたが)の方たちが患者さんとしていらっしゃるようになりまして、そこのアドリブのMt編集長が私がフュージョンを好きだということから、時々CDを下さるようになりました。
ある時頂いたCDで「深町純とニューヨークオールスターズ」と銘打って日本でライブをやった時のライブ盤を聴いたとき、最後のドラムソロが物凄くって、聴いていて背筋がゾクゾクする、ブルブル震えるようなような素晴らしい演奏に本当に感動しました。
あとで知りましたがこのライブは当時不可能と思われるような超豪華メンバーを揃えた伝説のライブと言われているそうです。それぞれが違うレコード会社と契約している人気ミュージシャンですから契約のからみもあり、共演が難しいとされていたところを、深町リーダーとしてうまくまとめてライブにこぎつけたというような話も聞いています。
それが初めて本当にスティーヴ・ガッドを知った時でしょうか・・・。
彼は本当に数多くのスーパーミュージシャンたちと共演、またバックでのサポートをしています。私でも知っているような有名な歌手やミュージシャンたちとです。まぁ、引っ張りだこだったんでしょう。
あの時代のメジャーなアーチストたちのバックでは、ロック。ポップ、R&B、ジャズ、フュージョン、ジャンルを問わずことごとくスティーヴ・ガッドがドラムを叩いていたかのようなさえ思わせられます。
私も数枚彼のリーダーCDを買いましたが、リチャード・ティーとのデュオ盤は素晴らしい演奏ですね。「ラプソディ・イン・ブルー」とか「テイク・ア・A-トレイン」とか、ピアノとドラムのデュオがビッグバンドの演奏のような空間の拡がりを感じさせる名演です。
多くのドラマーに多大な影響を与えているドラマーなんだそうです。実は今回の東京ジャズにはジャック・ディジョネットと言う「現代最高」と言われる伝説的なドラマーも出演していたのです。どっちをとるか迷うところですが、今年はもう一人の「行ける伝説」ガッドを聴きに行きました。
「スティーヴ・ガッド・バンド」は、マイケル・ランドウ(ギター)、ラリー・ゴールディングス(キーボード)、ジミー・ジョンソン(ベース)、ウォルト・ファウラー(Tp、Fh)の4人とガッドの5人です。
私はいまだに知識が無く、誰の名前も知りません。それぞれやはり引っ張りだこのスタジオ・ミュージシャン、セッション・ミュージシャンなんだそうです。ずっとジェームス・テイラーのバックバンドとしてツアーをして来たメンバーだと言う事でした。
前のガッド・ギャングもそうでしたが、ガッド自身がスタジオ・ミュージシャンとして活躍してきましたから、仲間が多いんでしょうか?みんな素晴らしい経歴の持ち主たちです。
始まる前のホールです。写真を撮ってはいけないことになってますので、コソコソと数枚、演奏前ならいいでしょう・・・。
音響や映像の調整をするんでしょうか?私の目の前の席です。
さ~て演奏が始まりました。全曲彼らのオリジナルですから、私は何も知りません。でもビリビリ来ます。それぞれのソロも素晴らしい!トランペットとフリューゲルホーンを駆使するファウラー、キーボードのジョンソンもグルーヴ感たっぷりです。
ギターがまた、チョーキングをギンギンに効かせたそれはブルージーなカッコいい演奏です。固いジャズファンの中にはこれは邪道だ!と言う人もいるかもしれないけど、(ジャズって自由な音楽だったんじゃなかったっけ?)私はこういうの好きだなぁ。
そして一度生で聴いて見たかったガッドのドラムは、やはり素晴らしいの一言に尽きます。
「正確無比」と言われるドラムは私には百分の一拍くらいわざとリズムをずらしているかのように聴こえたりします。なんと表現したらいいのか、あのドラムの音色は・・・、うぅ~~ん!いいですなぁ・・・。
音楽好きの人達にはすぐにガッドだと分かるプレーなんだそうですね。私にはそこまではとても解りません。特にわたしにとって、ドラムは多くの楽器のなかでも一番解らない楽器の一つなんですから。
流石にもう70歳のガッドです。昔のパワーやスピードは失っているのかも知れません。でもやっぱりこのメローなサウンドは私たちの心を動かしました。
と言う訳で、Gt君、今年もサンキュー!でした。