スタート時間になり、1番のティーグラウンド近くに集まりました。
右隣のティーはイン10番ホールのティーグラウンドです。そこから3人のゴルファーがティーショットを終えカートに乗りセカンド地点に向かっています。
スチュアートさんが「今あそこにいる中の一人は、横田空軍基地の司令官です。もう一人副司令官もいます。つまり横田基地のトップ2があそこにいる訳です。」と説明してくれました。
「それじゃぁここからスライス打つわけには行かないね。」と私が言いますと、スチュアートさん、「はい、今はマズイです。もう5分ほど待ってからにして下さい。」とジョークを返してくれました。
いやぁ~、そんな偉い人たちがここでは普通にゴルフしてるんですねぇ、どスライスしてボールを当てたりしたら大変です。この方々が日本の空を守ってくれています。日米防衛協力関係に水を差すようなことは避けましょう(笑)。
さて、私は松田さんと同じカートに乗り、リン先生、スチュアートさんと同組で回ることになりました。リンさんがティーペグを投げて打順を決めます。ティーの先が向いた方向にいる人が一番手、3回ティーを投げます。日本とは違う決め方ですね。
カートに積んであるドクター・リンのバッグには、それは美しいミズノMP33アイアンが入っていました。ドクター・キムが「リンは上手いですよ。」と言っていましたが、このクラブを見るだけでわかります。私の友人のGt君のMP32よりはオーソドックスな形状のマッスルバックです。さて、どんなゴルフをするんだろう・・・?
前にはゴルファーは見えません。後ろの根本先生の組の後にもだれも来ないようです。東京の週末にこんなにすいているゴルフ場は他にはないでしょうね。前が詰まることがありませんから、殆ど写真を撮るヒマがないままにプレーして行きました。
スチュアートさんはまだゴルフ歴があまり長くなさそうです。100切りまでもう一息、と言うところまで来たかな・・・?と言った状況らしいですが、堅実なプレーを続けていました。
リン先生、いやぁ・・・、まるでプロみたいです。綺麗なスィング、飛距離も凄い!私のドライバーと殆ど同じ距離を3-アイアンで打って来ます。220~230ヤードですよ!(彼は飛びすぎるので、フェアウエイバンカーを避けるために度々アイアンでティーショットを打ちました。
数ホールパーを続けます。間違いなくローハンディキャッパーでしょうね。子供のころからバスケ、野球、いろんなスポーツをしてきた中の一つがゴルフだそうで、今はゴルフだけだね、と教えてくれました。
松田さんもいつも通りそつないプレーでパーを重ねて行きます。アプローチ上手いなぁ・・・。前半終えて41回で終わっています。
地形を生かした設計の美しいコースです。所々アップダウンのきつい箇所もあり、歩きでは我々年寄りには少々きついかも・・・。ベント、コウライの2-グリーンですが、この日はベントグリーンでした。砲台グリーンは小さめですが、結構な傾斜と微妙なアンジュレーションがあり、難しかったです。リン先生は後半パットのタッチ、ラインが微妙にずれて苦しみました。
ラフはさほど深くなく、芝は何なんでしょう?野芝やコウライではなさそうですね。芝が柔らかいので逆目のラフでもヘッドが抜けやすく安心して打てました。距離によってはラフからでもパターでアプローチ出来、イップスの私には大変気持ちを楽にしてくれました。
私はここのところ調子を上げて来ているドライバーが絶好調、バンカーが少なく浅いラフでパターを駆使してのアプローチで大きなミスもなく久々の50切り、49で大満足の前半でした。
ちょうど12時くらいです。1番、10番ティーグラウンド前にある小屋(キャディーマスター室も兼ねています。)にあるスナックバーで、アメリカ軍人二人はホットドッグを頼み、さっと食べてスチュアートさんが流ちょうな日本語で「ごゆっくりどうぞ、」と言ってカートに乗ります。
彼は、よく外国人に見られるアクセントもなく綺麗な発音の日本語を話します。どこで覚えたの?と聞いてみました。なんでも、20年ほど前に初めて日本に配属された時、交換士官制度で日本の航空自衛隊で勤務したんだとか。
それから、アメリカに帰ったり、また日本の他の基地で勤務したりして、トータルで15年近く日本にいるんだそうです。よく日本語も覚えましたね。米軍の中では日本のスペシャリストなのでしょうか?。これからも日本で活躍されるのかもしれません。「航空自衛隊には本当にお世話になりまして感謝しています。」と謙虚に話していました。
私と松田さんはツナと卵のサンドイッチを(松田さんはそれに加えてホットドッグも・・・)頂き、10分ほどでカートに戻りました。日本と違い、ここでも現金で払います。財布はポケットの中、クラブハウスには貴重品ロッカーなどはありません。
さて後半戦。
広々としています。数ホールを除いて隣のホールとは完全にセパレートされています。林と言うよりはブッシュですね、入ったらアウト、ロストボールかOBです。解りやすくていいですね。ボールを探す手間が省けますし、船カンでは林から出すのに苦労する私には楽な作りです。
芝のメンテはとても良いです。しかしグリーンが早い!スチュアートアートさんは一筋違いの惜しいパットが続きます。ドクター・リンも次第にパットのラインが微妙にずれて来てタッチも合わなくなり、納得のいかないハーフになってしまったようです。
私はドライバーがまたもや乱れ始め、あるパー4でなんと2OB+1ロストボール、12回も打ってしまいました。ただ一人松田さんのパットがさえにさえます。長いパットを決め続け「ワォ~~!」と言うみんなの声援を浴びます。「He is hot!」
向こうに府中の東京競馬場が見えました。ヒルズと言うだけあって高台なんですね、所々美しい景色の場所がありました。スモッグが少ない日は富士山がよく見えるそうです。
さて、私です。大たたきもありましたが、この日はアプローチイップスの症状がいつもよりも軽かったことも幸いし、ここ数ラウンドとは大違いの104と言ういいスコアで上がることが出来ました。
芝生が良くてウエッジがよく滑ってくれたことがありました。そして、不安な気持ち、体がこわばる症状はありましたが、いつものように体が動かない、手が動かないような強い症状ではありませんでした。
あとで思ったのですが、この日は同組のアメリカ人プレーヤーとずっと英語で話していました。私は10年間アメリカに住んでいた割には英語はあまり得意ではありません。かなり集中していないと会話が出来ません。
その為に、(イップスって本当にメンタルの問題なので)そちらに気持ちが行っていて、アプローチの怖さを感じる余裕が無かったのかも知れません。ラフが易しく、パターでアプローチできるケースが多かったことも幸いしました。でもなんか、アプローチイップスと少し仲良く付き合って行くヒントを貰ったかもしれないなぁ・・・。ならば良いのですが・・・。今月の船カンでどうなるか?楽しみです。
数少ない2ホール並んでいる、また池のある風景です。ラフの感じがわかるでしょうか?
あっと言う間に18ホール終了しました。松田さん、さすがの82、リン先生もおなじくらい、スチュアートさんはパットに苦しみながらも私よりは少し良かったようです。本当に楽しい時間を過ごさせて頂きました。お二方にお礼を言ってグリーンを後にカートで駐車場へ行きキャディバッグを車に積みます。
根本先生たちも降りて来ました。ドクター・リンは彼のキャディバッグをドクター・キムに任せ、なんとハーレーに乗って手を上げて走り去りました。「カッコイー!」と言うと、スチュアートさん、「暴走族みたいだよ!」とまた綺麗な発音の日本語で笑わせてくれました。
キム先生や相原先生、及川先生とも挨拶をして、私も帰路へつきました。10時スタート、午後2時過ぎにはラウンドを終えました。アメリカンなゴルフでしたね。日本のゴルフ場ならお風呂につかって・・・、となるのですが、そんな施設はありませんから、さっさと帰ります。
最近日本のゴルフに慣れてしまい、昼にのんびり飲みながら昼食休憩したり、まったりとしたゴルフを楽しみようになっていましたが、久々にこういう経験をして、たまにはこんなゴルフもいいなぁ・・・、と感じました。
これはクラブハウスで買ったボールマーカー、各ホールのヤーデージが書いてあります。老眼鏡をかけなくては見えない私にはプレー中には役には立たないんですが、面白いですね。
ちなみにクラブハウスでもスナックバーでも従業員の方々は殆ど日本人(あるいは東洋系の方)で、英語も話しますが日本語が通じました。いやぁ~助かったわい(笑)。