昨日(11/22)、ボクシング世界スーパーフェザー級タイトルマッチがラスベガスで行われました。
試合が終わって、リングアナウンサーのマイケル・バフェット・ジュニアが「たった今私たちは最高のボクシングマッチの一つを目撃しました。」とアナウンスしました。壮絶な打ち合いでした。
1ラウンドにいいパンチを貰った三浦選手、辛うじてクリンチに逃げ、倒れずにゴングを聞きましたがかなりのダメージがあったようです。
しかし徐々に回復し、4ラウンドには逆に得意の左でダウンを奪い、その後は攻勢を強めて行きました。
何度か挑戦者のフランシスコ・バルガス選手をぐらつかせ、KOの期待を抱かせました。バルガス選手の右目は上下二箇所をカットし、青黒くはれ上がり、いまにも視界をふさがれそうな状況でした。
8回終了時にはレフェリーが、これ以上パンチを貰ったら試合をストップする、とバルガス陣営に伝えたほどでした。
ただ、それまでに日本の解説陣(ジョー小泉氏と元チャンプの西岡氏です)は再三「もっとガード上げた方がいいね・・・。」とコメントしていました。そして9ラウンド目の早い時間に危惧していた事が起こりました。
三浦選手も勝ちを確信して油断があったのかも知れません。KOを狙いすぎたのかもしれません。最強挑戦者(世界一位のバルガスです)の捨て身のアッパーをもろに食らい、ふらついたところに連打を貰いました。
倒れちゃえばまだ良かったかも知れません。なまじ耐えようと立ち続けた為に数発余計に貰ってしまいました。始めの数発が効いて、クリンチすることさえおぼつかなかったのです。
ついにダウンしましたが、まだ時間がたっぷりありました。立ち上がった三浦選手を容赦なく叩き続ける相手を遮ってレフェリーが試合を止めました。もうこれ以上は危ない・・・。妥当なストップでしょう。
あのアッパーを不用意に食らわなければ、止められていたのは逆の選手だった筈です。いやぁ・・・、本当に惜しい敗戦でした。
負けはしましたが、冒頭に書いたように三浦選手のファイトは大きなインパクトを世界に与えました。彼の強さは最強挑戦者相手に十分すぎるほどアピール出来ました。村田諒太選手が勝ったにも拘わらず凡戦として、いい評価を得られなかったのとは対照的な一戦でした。
すでにこの試合は今年のベストバウトの第一候補とも言われているそうです。世界が三浦を知り、必ず彼にはまたチャンスが与えられる事でしょう。次回に期待です!油断せず、ガードをあげて・・・。
日本にはもう一人のスーパーフェザー級チャンプがいます。(それもスーパーチャンピオンです)内山高志選手です。
彼は4年前に三浦選手を左一本で(初回に右手を痛めたため)TKOし、その前後10回タイトルを防衛、そのうち9回はKO、またはTKO勝利と言う日本が誇るスーパーチャンピオンです。
三浦選手には失礼ですが、内山選手のほうが格上と言うのは間違いないところだと思います。しかしこのような世界にアピールするチャンスがなかなか回って来ないのは、やはり帝拳とワタナベジムの差なのでしょう。
年末のタイトルマッチにぜひとも勝って、来年こそは内山高志選手にも世界に名を売るチャンスが来てくれる事を期待しています。彼もそう若くはないですからね。
ところでメインの試合ではアルバレスがコットに判定勝利を収めました。次は是非ゴロフキンとやってほしいなぁ・・・。