7月22日、御茶ノ水ナルに行ってきました。今年もビッグバンドがナルにやって来たのです。
MIKI HIROSE JAZZ ORCHESTRAです。
11人のメンバープラスボーカルの12名のミュージシャンが揃いました。今年も立ち見が出る盛況です。私はかろうじて座らせてもらえまして助かりました。
時間通りにライブがスタートしました。去年は一回目と言う何というか緊張感がありましたが、2年目のこの日は(勝手にそう感じていますが)淡々粛々と始まりました。
広瀬さんが「みなさんもよくご存じの曲を中心にやります。」と言っていましたが、2曲のオリジナル以外は私でも知っているようなスタンダード、そしてボーカルのマヤ・ハッチさんが入ると、私のような老人が泣けてくるような選曲で、「ベサメ・ムーチョ」、松田聖子の「スィートメモリー」と続きます。
その前に「Love is Here to Stay」も歌ってくれましたが、今年は実に分かり易い構成で私にはとっても良かったなぁ・・・。勿論アレンジはモダンなまた、ファンキーなもので盛り上げてくれました。迫力たっぷりのアレンジでした。
決めもはっきりとして分かり易くって拍手しやすくって(私には)すごくいい感じでした。いつ終わるんだか・・・、どう終わるんだか判らない演奏はちょっと私にはつらいです。
一曲にかける時間もさほど長くなく、これも聴きやすくって良かったです。あまり長いのは私は飽きてしまうのです。コアなジャズファンの方々はそういうのも好きな方が多いようですが、音楽的な事に疎い私のようなものにとってはちょっときつい、疲れます。広瀬さんがそう言う事を意識してアレンジしたかどうかは知りませんが、私にはとても聴きやすく、楽しい演奏でした。
徐々に盛り上り、演奏にも気合が入って感じられる頃にそれぞれのソロもありました。アルトサックスの土井徳浩さんが素晴らしいソロを聴かせてくれました。
最近知ったのですが、彼はフルート奏者の太田朱美さんのご主人なんだそうですね。小岩コチで時々やっている「les Komatis」と言う三人娘のユニットがあるのですが、ピアノの片倉真由子さん、ボーカルのNobieさん、そして太田さんの三人でユニークなサウンドを奏で好評なバンドです。
片倉さんは大人気の実力はピアニスト、そして太田さんも日本を代表するフルーティスト、Nobieさんはこれまた彼女自身が楽器のような素晴らしい歌手です。
その中の太田朱美さんがただいま子育て中でして、その代役でご主人んも土井さんが出るようになったのですね。(そのユニットではクラリネットを吹いています)それで太田さんと土井さんがご夫婦だと言う事を知ったのですが、これもまた片倉さん、Nobieさんといい感じのサウンドになっていました。
その土井さん、この夜はサックスですが、気合たっぷりのカッコいいアドリブでお客さんを沸かせました。「カッコイー!」
そしてリーダーの広瀬さん、ウワァ~、カッコイー!美しく、強い音です。速い、高い音です。カッコいいフレーズの迫力あるソロに大きな拍手と歓声を受けました。
ファーストセットの最後にパーカッションの岡本健太さん(熱帯ジャズ楽団でドラムとパーカッション担当とか・・・)とドラムの石若駿さん(彼はあっという間に引っ張りだこの人気ドラマーになりました。今年秋の東京ジャズにも出るようです)のバトルのような掛け合いのソロが長く続きました。迫力たっぷり、また時折意外なフレーズが繰り出され、二人ともすごく楽しそうに演奏していたのが印象的でした。
リーダーの広瀬さん含め、全員のメンバーとお客さんの目を釘づけにしましたね。私もちょっと興奮してしまい、声を出し過ぎたかな・・・?他の方からひんしゅくを買わないか少し心配になりましたが、取りあえず隣に座っていた方には怒られずにすんだので・・・(笑)。そんな訳で大拍手に包まれた二人の叩き合いでファースト大盛り上がりで終了です。
ボーカルのマヤ・ハッチさんも頑張っていました。後ろで広瀬さんも笑顔で体をゆすって時折声を出しながら楽しそうに聴いていました。
ただ、スペースの関係かと思いますが、ミュージシャンの前で歌えず、カウンターの前でお客さんの中で歌う形になりますから、譜面台が置けないのでしょうね。ちょっとそれは可哀想だったかもしれない。でも去年よりは準備も良く出来ていたんではないでしょうか?これからのマヤさんに期待したいですね。
私はこの夜もファーストで帰ります。声を出し過ぎてちょっと燃え尽きた(笑)。でもビッグバンドもいいもんですね。神田のTNスィングでやるような昔ながらのスィングアレンジもいまだに素晴らしく感じるし、こういうモダンなアレンジもまたいいです。
青山のBody & Soulにも「フロントページオーケストラ」と言うバンドがあるそうですが、メンバーの名前を見るだけでも素晴らしいバンドのように思えます。きっとカッコいいんでしょうな。
このナルのビッグバンドも毎年のナルの風物詩になって行くといいですね。
そう言えば、ナルは50周年なんだそうです。いつまでもいい音楽を届け続けてほしいと願っています。