文芸春秋11月号の「数字の科学」と言うコラムに「最も近い恒星までの距離」と言う題の文章が書かれていました。
それによると、今年の8月にプロキシマ・ケンタウリと言う恒星に、惑星があることが発見された事が注目されている、と書かれていました。プロキシマ・ケンタウリbと名付けられたようです。
その恒星は太陽から最も近いところにある恒星です。その惑星は地球から最も近いところにある太陽系外の惑星と言う事になります。
そしてプロキシマ・ケンタウリbのサイズと気温は比較的地球に近いと見られており、つまりは多量の水が存在し、生命が誕生している可能性も期待できるという訳ですから、天文学者たちは色めき立ったという話です。
ではそこへ探査機を飛ばして調査することは可能だろうか?と言う話になりますが、そこまでの距離が問題になります。地球から4.25光年離れているのです。そこから出た光は4年以上かかって地球に届きます。今見えているのは4.25年前のその星の姿です。
太陽系外へ向かって今も飛んでいる宇宙探査機ボイジャー1号は秒速17キロメートルと言うスピードで(因みに音速の50倍の速さです)宇宙を旅しています。その速度でプロキシマ・ケンタウリに向かわせても到達に七万年以上かかることになるそうです。これではお話になりませんね。
ボイジャー1号、2号は1977年に打ち上げられました。もう30年近く宇宙を旅しているのです。太陽圏外まで到達していますが、まだ太陽系を脱出してはいないそうです。ここら辺は少し難しいですね、私も勉強しないと意味が解りません(笑)が、30年飛んでも太陽系さえ抜けられないなんて・・・。これってすごい事だよなぁ・・・。(太陽系の外に出るには3万年ほどかかるそうです(驚))
ハッブル宇宙望遠鏡は130億光年離れた銀河まで発見しましたが、それに比べて4.25光年なんてすぐ近くのような気もしますが、そこへ行くことも今の人間の力では不可能に近い事なのですね。何という宇宙の広さでしょう?
そういう観測が出来るようになったのもつい最近のことです。私が子供の頃は地球以外の星に生命が存在する可能性は殆どない、と言われていたものです。地球は宇宙の奇跡の星だとさえいう科学者もいたのです。
私がアメリカにいた頃「コスモス」と言う(宇宙ドキュメンタリーと言うのでしょうか?)テレビ番組がありました。40年近く前の事です。
カール・セイガン博士がナレーターを務めるこの番組は大人気でしたが、その番組の中でセイガン博士が、この広い宇宙に地球のような生命体を育む星が他にないなんて考えられないことだ・・・。と地球外生命の存在を明確に肯定していたのが、私が初めて聞いた肯定的意見でした。
2年前にこの番組の続編のような番組が作られ13話放送されました。今でもその「コスモス:時空と宇宙」はナショジオチャンネルで見る事が出来ます。タイソン博士と言う物理学者が司会をしています。これも面白い番組です。
科学の発達は目覚ましいものがあります。そしてその進化、新しい発見をするたびに分からないことが増えて行くような妙な進歩です。そう、昔ニュートンたちが古典力学を完成させた時には、(殆ど)全ての事が証明出来ると考えられていたかもしれません
ところが年とともに、科学が発展していくにつれてわからないことが増えて行きます。知らない事、わからない事がまだまだあることを理解するようにになるのです。やっと今年になって地球から4光年強の近さの距離に太陽系外惑星が存在することを人間は知り得たのです。
私は子供の頃「鉄人28号」の漫画が大好きでした。「僕はハカセになるんだ!」と言っていたそうです。敷島博士やお茶の水博士のように、ハカセとはロボットを作る人の事をいうものと思っていた子供時代の私の夢は「ハカセになる!」だったんです(笑)。
その頃漫画で見ていたことは当時は夢のような話ばかりでした。人間が月に行くことなどは夢のまた夢だったのですから。
多くの夢が現実となりましたが、さていつかは人間がスタートレックやスターワーズ、はたまた宇宙戦艦ヤマトのようにワープ航法で宇宙を旅する時代は来るんでしょうか?実現不可能と言われていますが、真剣に研究している科学者もいるそうです。まだ子供のころの夢見る魂は若干私の中に残っているようです。期待しています(笑)。
先日七星会という高校同期会がありまして、昔の理系クラスの同級生たちと話をしていて、あの頃はこんな話にも十分興味を持っていたことを思い出しました。いまでも少しはその名残がある事がなんだかちょっとうれしく感じてしまいました(笑)。