久しぶりに銀座スィングへ、この日は豊田チカさんが出演しました。あまり聴く機会がないのでここは行ってみようと思っていました。
バックにはピアノに椎名豊さん、ドラムに広瀬潤次さん、ベースは斎藤クジラ誠さん、という豪華なピアノトリオです。
着いた時にはもうインストの演奏が始まっていました。徐々にテンションが上がって来ます。広瀬さんも気合が入って来ました。素晴らしい演奏で2曲程聴いてから豊田さん登場!いやぁ豪華なライブじゃぁないですか?
言わずと知れた大橋巨泉さんの娘さんです。お姉さまもジャズシンガーですが、私はどちらかと言えばチカさんの歌が好みです。(失礼)
一曲目、おぉ~~~!「I didn`t know what time it was」!ついこないだこのブログに書いたばかりの歌じゃないですか?私は大喜びで歌い始めてすぐに大拍手!
チカさん、それに気づいて振り向いて笑顔で応えてくれました。「あなた、この歌好きなの?」、「はい!大好きです!」と、なんか通じたような気がするもんです。こうして笑顔で応えて頂くと嬉しいものですね。
彼女の歌を聴くのは数年ぶりですが、落ち着いて軽やかにスィングするチカさんの歌は安心して聴ける・・・、と言ったら変ですけど、そう、安心するんです。
何というか、変にジャズを意識していないのだけど、心地よいグルーブとスィング感に満ちているとでも言いましょうか・・・、下手に説明するのは私らしくないですね(笑)。とにかく「グッド!」です。素人の私にもわかりやすく、心地よい音です。英語が上手いのも聴きやすく感じる理由の一つかもしれません。
豪華なバックの3人のソロも歌の合間にびったりハマります。歌の後ろでもいいフレーズが聴こえて来ます。4人とも笑顔、ノリノリになって来ました。そつのないMCも挟んでお客さんのリクエストも歌ってくれます。
お客さんからも声が上がり始め、どんどん盛り上がって行きました。ベースの斎藤さんがチカさんに「ちょっとマイク貸して、」と頼みました。ベースソロに口笛を重ねての演奏になりました。お客さんたちは大喜びです。
こうして盛り上がってくると、ミュージシャンとお客さんたちの間に一体感が感じられるようで、いいなぁ・・・。以前、椎名さんが「ライブは私たちとお客さんと一緒に作っていくものなんです・・・」と言ったようなことを話していたことを思い出しましたが、こういうことなんでしょうね。
椎名さんは私の大好きなピアニストの一人です。よく小岩コチに出るので何度も聴いています。若い人を育てたりワークショップを開いたり、ライブでも音楽の楽しさを伝えようとしているように感じることがあります。ジャズ界に大きな貢献をしている方なのでしょう。
素晴らしいテクニシャンであるとともに素晴らしいメロディーメーカーでもあります。彼の「Walkin` in the clouds」は大好きだなぁ。「In the Dusk」とかいいですね。
オリジナル曲を作られているミュージシャンは多々います。みな自分にとっては宝物のようなピースなのだと思いますが、さてどれだけの曲があとまで残るんだろう?残念ながらそれほど多くはないんでしょう。
正直、私のような素人には分かりづらい、どこにメロディーがあるのかわからない曲もあるように思います。椎名さんの曲には美しいメロディーがあります。是非多くの人に聴いてほしい、そういう曲があるのです。
などと今思いついて書きましたが、大歓声に包まれた1セットのあと、いつも通り家路につきました。また聴きたいと思わせるいいライブでした。
そういえばチカさんのお父様は最近亡くなられましたが、つい昨日辛島文雄さんついに亡くなられたというニュースを聞きました。ダイナミックなソロに思わず大拍手をすると、必ず大きくお辞儀をして応えてくれました。
大好きなピアニストでした。まだ若く、残念なことですが、かなり苦しい闘病生活だったと聞いていましたので、その苦しさから解放されてきっと天国で楽しくピアノを弾いているに違いない・・・、と思い、また冥福をお祈りします。