遅ればせながらライブレポートです。先週久しぶりに大塚グレコさんにお邪魔しました。ピアノの栗林すみれさんとボーカルの寝占友梨絵さんのデュオです。
二人とも若手有望株・・・、と言えるのかな?栗林さんは最近あちらこちらで引っ張りだこです。実は先週も御茶ノ水ナルの塩田さんのセッションで彼女のピアノを聴いたばかりです。今週の私は彼女の追いかけになりました。
以前は歌伴もよくやっていましたが、最近は自分のリーダーライブ以外でもいろいろなメンバーとやっていて大忙し、歌伴はめっきり減りました。
この夜は、歌伴と言うよりは、バトル!(笑)先週のお茶ナルのセッションではソロはともかくとして、バッキングでは主張しすぎずバランスよいバッキングに徹していた栗林さんですが、この夜はハジケました!
寝占さんはミュージシャンの間では評価が高いボーカリストですが、なかなかジャズファンの方々の目には留まっていないのでしょうか?私が大きな期待を持って見守っているミュージシャンです。
まずはマティーニを一杯(笑)。
高そうなグラスだなぁ(笑)・・・。私の家では百円ショップで買ったマティーニグラスを使っています。だって結構割れちゃうんだもの・・・。でもグラスがいいと余計に美味しく感じるなぁ・・・(笑)。
ライブ始まります。この夜は大塚の隠れ家グレコの二階です。
凄い凄い・・・。いきなり全開!すみれさんはいつもとびっきりの笑顔の素敵な御嬢さん、でもピアノは迫力タップリ!小柄な体から強いタッチのスィング感あふれる激しいフレーズ、そしてとても柔らかい美しい可愛いフレーズ、自由自在に音を操る、「栗林ワールド」あるいは「すみれワールド」と言われる彼女だけの世界があります。
そして寝占さん、優しい歌声ですが、ひとたび解き放たれるとそのスキャットは周りを圧倒します。私はいきなり「イイェ~~イ!!!」です。スキャットだけではないですよ。優しい歌声でしっとりと聴かせてくれますが、時として声量たっぷり強いコーラスに豹変します。
二人の掛け合いは優しい会話から始まりましたが、時としてまるでボクサーがノーガードの打ち合いをしているような激しいバトルにもなります。
でも二人とも笑顔がはじけます。お互いを認め合った二人のミュージシャンの演奏は私たちを魅了しますが、楽しそうに演奏する二人の表情がまた空間を和ませます。是非皆さんに目を開いてこの空間を味わって頂きたい、そう思いました。
寝占さんの歌は彼女自身が楽器のような音楽を創りあげます。栗林さんのような素晴らしいピアニストと互角に掛け合いの出来るボーカリストは数少ないでしょう。彼女はその中の一人ですが、日本のボーカルファンはあまりこういうスタイルは好まないのでしょうか?そうだとしたらとても残念なことです。
ビバップ大好きなインストジャズファンには彼女の声での演奏は響かないんだろうか・・・?高く評価しているファンがまだ多くないようですが、必ず多くの機会が与えられて行くことを信じています。素晴らしいライブでした。お客さんが「ウワァー、カッコよかったねぇ・・・」と声をかけていました。そういうお客さんがどんどん増えてくるといいなぁ・・・。そう思いながらこの日も1セット目の後店を出ます。
つい最近誕生日だったという寝占さん、まだ26歳前後だと思いますが、新しい髪型が似合っていましたね。この二人はこれから何度もまた素晴らしい空間を紡ぎあげて音楽ファンを楽しませてくれるでしょう。期待しています。