めっきり涼しくなって来た今日この頃です。夏も終わりましたかねぇ。また秋がやって来ますね。
将棋の世界でも時が流れて行きます。最年少名人となった谷川浩二さんが羽生世代の陰に隠れ、葛飾区お花茶屋出身の渡辺明竜王が羽生世代を脅かし(私は隣の駅の葛飾区堀切出身なので彼には親近感を持っています。(笑))、15歳の中学生棋士、藤井聡太4段が羽生世代に挑戦するようになりました。
毎週日曜日の午前中にテレビ放送しているNHK杯将棋トーナメントで、今話題になっている藤井4段と、永世名人であり羽生世代の一角でもある森内俊之9段と2回戦で当たることになりました。
朝起きてテレビをつけると二人の棋戦をやっていました。あれ?と思いましたが(まだいつもNHK杯を放映する時間になってませんでしたから)、最近注目を集めている藤井4段と森内9段の対戦とあって、異例の生中継をしていたのです。用事がありましたから見続けられません。途中から録画して帰宅後に観る事にしました。
今までにも、それこそ「ひふみん」と呼ばれ親しまれるようになった加藤一二三さん、中原時代とさえ言われた強さのあった中原誠さん、その時代を終わらせた谷川浩二さん、羽生世代と言われる羽生善治、佐藤康光、森内俊之さん他の同年代の棋士たち、そして渡辺明竜王など、若い時期から注目されて来た棋士たちは数多くいましたが、藤井4段ほど世間の注目を集める事はありませんでした。
果たして藤井4段が先人たちよりも強くなるのかどうかはわかりませんが、デビュー以来29連勝と言う記録がマスコミの注目の的になったようです。
帰宅して、晩酌のさかなに久しぶりに観る将棋中継(笑)。もうせめぎあいは始まっています。因みに私は将棋に関しては全くのど素人、駒の動かし方を知っている程度です。
解説はこれも若手の雄、昨日(5日)から将棋王座戦で羽生善治王座に挑戦している中村太地6段でした。しばらく見ていなかったら清水女流6段から司会が代っていました。藤田綾女流2段だそうです。
見ていても全く進行具合も何もわからぬ私ですが、そんなど素人の私にさえも迫力がひしひしと伝わって来る、超一流のプロ棋士たちの凄味です。
おぉ、もう一人解説者が現れました。二人の解説者というのも異例です。しかも森内9段と並び羽生世代と言われる強豪棋士のなかでも羽生さんに次ぐ実績を誇る佐藤康光NHK杯です。
手数が進む中、二人の表情が微妙に変わって行きます。
あらぬ方向を向く森内9段、勝負が決した事を理解したのかも知れませんね。
そして・・・。
森内9段、負けました、の一言、なんと15歳の新鋭が森内永世名人を下しました。
感想戦に入りました。勝負の決まったすぐ後から、こうして二人の棋士が棋譜を振り返ります。いつもは負けた棋士が悔しさを抑えながら感想戦に入る様子が伺えますが、この日は森内9段のサバサバとした表情が実に印象的でした。勿論悔しいには決まっているのでしょうが、若くして注目を集める藤井4段の緊張を解くかのように話しかけていました。
中村、佐藤両解説者が加わりましたが、やはり和やかな雰囲気の感想戦となりました。
駒を並べ直して棋譜をたどっていきますが、森内9段のこの表情です。
藤井4段も笑顔がこぼれます。いい先輩たちに恵まれましたね。
公式戦で強豪棋士に勝てる事を証明した藤井4段です。注目されるのも当然の素質と強さを見せたことになるのでしょうか?
異例の生中継が終わりました(私は録画でみたのですが)。
NHKに異例の生中継を踏み切らせた藤井4段ですが、まさにその生中継で彼の存在を大きくアピールしました。これからの成長に期待したいですね。
昨日の王座戦第一局は185手という長い将棋になりましたが、この日解説していた中村太地6段がその混戦を制し羽生2冠に先勝した事が今朝の日経朝刊に記されていました。永く続いた羽生世代の時代も終わりに近づいているのでしょうか?新しい秋の声を聞きながら、将棋の世界も時代が流れて行くようです。