昨年の事ですが、ある七G会の飲み会で、落語の話で盛り上がったことがありました。それぞれ違った個性の持ち主たちは、趣味も多種多様、いろんな話題が花を咲かせます。
私には無縁だったことも多く、興味深く聞くことが出来ます。みんなよく知ってるなぁ・・・。落語好きも結構多く、私には解らない話が飛び交いますが、それもまた楽しい時間です。
そういえば、高校生の時だったか、浪人してた時だったか、同級生と二人で一度落語聞きに行ってみようか?と、上野鈴本へ行ったことがあったなぁ・・・、などと昔の事を思い出しました。あの頃は日曜日の午後、「日曜演芸会」とか、「笑点」とか、人気のある番組がいくつかあって、テレビではよく見ていました。
特に落語好き、と言う訳ではありませんでしたが、あの頃はいろんなことにトライしてみたい年頃で、一度くらい寄席にも行ってみたい、と、友達と行くことになったんだろうと思います。
さて入り口で切符を買って入ったのはいいけれど、どこに客席の入り口があるのか分からず、ウロウロする二人の少年(笑)。人に聞くのもなんだか恥ずかしい年ごろです。そこに和服姿の小さな老人が声をかけて来ました。
温厚そうなそのお方が、「こちらからお上がりになったらようございますよ。」と上の階に行くエスカレーターを指さしました。「ハァ・・・、」とか言って、きちんとお礼をしたんだったかどうだか・・・。
二階だか三階だったか覚えていませんが、客席への入り口は一階にはありませんでした。そう、ステージから客席は後ろへ高くなって行きますから一番後ろにある入り口は上階にあったんですね。なにはともあれ席に着きました。
驚いたのは前の席の背中に飲食用のテーブルがあり、そこで飲み食いしながら芸を鑑賞出来るようになっていた事です。外の売店にはおつまみやお酒も売っています。確か灰皿もついていたような気がします。あの頃は映画館なんかでも煙草吸えるとこがまだありましたからね。今はどうなんだろう・・・?
何も知らずに行きましたが、落語の前にいろんな芸をやるものだったんですね。手品、漫才、紙切り・・・、あと何があったかなぁ・・・?私は「紙切り」にビックリ仰天!
いくつか綺麗な紙切り技を披露した後、リクエストにも応えます。どんだけのレパートリーがあるんだろう?創ったばかりの作品を、ほしい人にくれるんだけど、恥ずかしくって手を挙げられませんでした(笑)。
最後に真打登場!舞台の袖から歩いて来ましたその方は・・・・、先ほど入り口を教えて下さった、優しい年輩のお方じゃぁないですか!
多分、金原亭馬生さんと言う落語家さんだったんじゃないかな?と思います。そういえばなんか見たことある顔だなぁ?と思っていたのです。当時大人気だった若き古今亭志ん朝のお兄さん、志ん生の息子さんです。
いやぁ、参りました(笑)。
この後、もう一度だけ鈴本に行ったことがあります。母親を連れて行きましたら、大喜びしておりましたねぇ・・・。それが私にとっての数少ない親孝行であり、最後の落語経験でしたかな?
その母も逝去しまして10年以上たちました。先日墓参にまいりました。
沢山の花に囲まれて、喜んでいてくれるだろうか?母が喜んででくれれば、一緒に眠る父親も喜んでくれるはずなんだが・・・。
同期会での話芸の話題からそんなことも思い出しました。
関係ありませんが、私は「笑点」よりも「日曜演芸会」の方が好きでしたねぇ(笑)。