四ツ谷新道通りに「政吉」という立ち食いそば屋さんがあります。仕事を終えて、ジャズのライブに行く前、ライブのスタート時間までの時間つぶしを兼ねて政吉に立ち寄り、小腹に軽く入れて行くことが多々あります。
たまに昼食に蕎麦を食べるときもありますが、夜の訪問の方が圧倒的に多いですね。ビールを一杯頂きまして、蕎麦の実サラダを頼みます。ビールのジョッキが空きますれば、日本酒を一杯、そして串天だったり、板わさだったり、(最近はおつまみメニューも増えて来ています)かる~く食してからライブハウスへと向かうのが常です。
カツ煮(お蕎麦屋さんではカツ抜きとも呼びますが、ここのお品書きにはカツ煮と書いてあります。)が美味そうで食べたいんだけど、そこに根が生えてしまいそうなので(笑)頼んだことはありません。
お酒は二種類置いてあります。行きはじめの頃は「八海山」を頼んでいたのですが、もう一つの「丸真正宗」と言うのを試してみましたら、これがなかなかいけまして、ここの所ずっとそれを頂いておりました。
先日、いつものように「丸真正宗」を頼みましたら、お店の人が「実はこの酒造が廃業しまして、今ある在庫がなくなると、もうこれは飲めなくなります。申し訳ありません。」と話してくれました。
ちょっと驚きましたが、残念ですが仕方ありません。小山酒造と言う、なんでも東京23区内ではただ一軒続いていた酒蔵なんだそうですが、諸事情により2月28日で清酒製造から撤退したとの事です。
私はあまりそういった知識もなく知らなかったのですが、東京には10件の酒蔵があるものの、北区にあったこの小山酒造さん以外の東京の蔵元、「澤乃井」などの9軒は、みな東京都下にあるんだそうで、昔は数多くあったのでしょうが、23区内にはこの1軒しか残っていなかったんだそうです。
ちょっとネットでチェックして見ましたが、早速ニュースになっていたようです。持っている敷地内に賃貸マンションを作るなどして利益は確保していて業績は決して悪いものではなかったそうなので、突然の廃業の知らせに驚く人が多かったようです。ハッキリとした理由は明かされていないようですが、職人の確保が難しい事が大きな理由なのではないか?と噂されています。
ついに23区内から日本酒の酒蔵がなくなることも淋しいですが、このお酒をもう飲めなくなるんだなぁ・・、急なことでもあり、なんか残念な気持ちになりました。