いい試合でした。残念ながら10ラウンドに強烈な左ボディーを貰い、力尽きましたが、リナレスは自分の力を世界に認めさせたのではないでしょうか?
ヴェネズエラ出身ではありますが日本の帝拳ジム所属で成長してきたリナレスはWBAの世界ライト級チャンピオンです。ロマチェンコが挑戦者でありながら、オッズはロマチェンコ有利。
圧倒的な強さで名だたる挑戦者たちの戦意をくじき、4戦連続で相手が途中棄権するというスーパーフェザーでは敵なしだったロマチェンコは一つ階級を上げても彼の強さは揺るがない、と言うのが一般的な予想でした。
昔、パナマの英雄、「石のコブシ」と称されたロベルトデュランが、レナードとの再戦で「ノーマス」(英語だと「No more」と言う事だと思います、多分・・・)と言って途中棄権した事例にちなんで「ノーマス・ロマチェンコ」とさえ言われる挑戦者が先に入場しました。
ボクシング界の最高傑作とも言われるロマチェンコですが、控室では最近見られなかったような厳しい表情だったことを解説者が伝えていました。リナレスには敬意を持っているようです。
そしてリナレス登場!下の階級の時に、防衛戦でサルガドにまさかの1ラウンドTKO負けを喫して以来、一時低迷が続きましたが、逞しさをましたここ数年は最強の王者としての貫禄を付けて来ました。
マジソンスクエアガーデンは超満員!
お馴染のマイケル・バファーさんの「Let`s Get Ready to Rumble!」で最高潮に盛り上がります。
試合開始!リナレス選手の方が一回り大きく感じます。ロマチェンコ選手は殆ど減量する必要がなかったのではないか?と言う前評判。二人のハンドスピードが速すぎてパンチが見えない!
やはりスピードに勝るロマチェンコがの方が有効打は多いようですが、リナレスのパンチも当たります。これだけロマチェンコと打ち合えた選手は今までにはいなかったんです。解説の帝拳ジム代表の浜田さんの言葉にも力が入ります(笑)。
一時も目を離せないような緊迫した試合が続いて行きます。そして第6ラウンド、
ロマチェンコの右に合わせたノーモーションの右ストレートがカウンターになってロマチェンコの顔面にヒット!
なんと!
ロマチェンコが・・・、
倒れて行きます!
まさかのダウンに場内の観客も、Wowowの解説陣も大興奮!リングサイドで大喜びするデラホーヤしが映し出されました。これは凄い試合になりました。リナレスが「ノーマス」ロマチェンコを下すのか!?
試合は続きます。1ラウンドでロマチェンコはダメージから快復したようで、早い芸術的な動きに拍車がかかって来ました。
子供の頃、ボクシングの為にダンスを習わされた、と言うロマチェンコのステップワークは、打った時にはそこにいない・・・、このように90度左へ、或は右へ瞬間移動したかのようにさえ見えます。
やはりリナレスが被弾する頻度が高まって来ましたが、リナレスも打ち返して素晴らしい試合になりましたが・・・、
顔面へパンチを集めたロマチェンコに対し、リナレスのガードが高くなりボディーが空いた瞬間、
強烈な左ボディーブローが一閃!
リナレスの右わき腹にパンチがめり込みます!
倒れ行くリナレスにとどめの打ち下ろし・・・。これは空振りでしたが・・・。
一度は立ち上がろうとしたリナレスでしたが・・・、
このあとレフェリーが止めました。
大観衆に応えるロマチェンコ。彼はどこまで行くのだろうか?スーパーフェザーで内山選手とやらせたかったなぁ・・・。
試合後に両選手が健闘を称えあいます。敗れはしましたが、リナレス選手はその実力を世界に認めさせたと言えるでしょう。再戦もあるかもしれませんね。これからの動向に注目です。