遅ればせながらボクシングの世界戦レポートです。先週の日曜日(7/29)にアメリカはフロリダでのこの試合、日本でも生中継されました。
WBOスーパーフェザー級王座決定戦で伊藤雅雪選手が見事に王座奪取に成功しました。圧倒的な強さを誇るロマチェンコが前試合でリナレスに勝ってライト級王座に就き、スーパーフェザーの世界タイトルを返上したために空位になった王座をかけて、上位2名が戦った試合です。
ボクシング大好き、と言っている割には何も知らないわたくしは伊藤雅雪選手の事を全く知りませんでした。アメリカで行われるこの試合をWowowのエキサイトマッチで生中継する、と聞いて初めて知った名前でした。
チェックして見ましたら、彼の所属する伴流ジムは江東区亀戸6丁目にあるとのこと・・・、うちのすぐそばじゃぁないですか(なんと私の自宅から徒歩7分!)。そして伊藤選手は江東区出身で区立中学を出ていると知り、急に親近感が湧いて来ました(笑)。
いい試合になりましたね。お互いに引かずに堂々と打ち合いました。クリンチも少なく、とてもクリーンな試合で、互いにいいパンチを当てましたが、4ラウンドの伊藤選手(WBOランク2位)の右カウンターからの3連打で奪ったダウンが効きました。
相手のクリストファー・ディアス(WBOランク1位、プエルトリコ)の左目下が内出血して青黒く腫れて来ました。
その後も有効打の数は拮抗していましたが、左目下を腫らし、出血もあったディアス選手は視界も悪化していたでしょう、伊藤選手がやや有効打は多かったか?攻勢点では伊藤選手が上回ったでしょうか?12ラウンド、スタミナを切らさずに攻め続けた伊藤選手が3-0の判定勝ちを収めました。
内山選手、三浦選手と言った、素晴らしいチャンピオンがいたこの階級にニュースターが誕生したんでしょうか?真価を問われるのはこれからだと思います。しかし敵地(厳密には相手の地元ではありませんがプエルトリコは会場のフロリダからほど近い国です。多くのサポーターがいました。)で堂々と、そしてクリーンに打ち合いを制した戦いぶりには期待させてくれるものがありました。
同じ階級に昨年末、ラスベガスでIBFのタイトルを一度は取った(その後ドーピング違反ではく奪されましたが)尾川堅一選手と言う素晴らしいボクサーもいるそうです。かつての内山高志、三浦隆司の二人のようにこの激戦区を勝ち抜いて行ってくれることを期待しています。
内山選手はついに海外でその力を見せることなく引退しましたが、伊藤選手は初めから海外でその名前を広める事に成功しました。伴流ジムという決して大きくはないジムの所属ではありますが、この試合のプロモーションには帝拳がサポートして助けてくれたようですね。
そして彼のボクシングは、この試合で相手のプロモーターであったボブ・アラム氏(ご存じのように業界トップクラスのプロモーターで、村田選手とも契約していますね。)の目にも止まったようです。アラム氏が大事に育てて来たディアス選手を破って王座に就いてしまった訳ですから・・・。
内山選手や三浦選手のような強力なパンチ力はないのかも知れませんが、明らかに世界のトップレベルで戦える技術とクレバーさ、ガッツはアメリカのメディアにも十分印象付けたようです。井上選手、村田選手に次ぐ期待の選手が出て来たなぁ・・・。これからが楽しみですね。
この試合のことをアップするのが遅れているすきに、アマチュアボクシング界では、本当につまらない問題が明るみになり、マスコミもいいネタにありついて大騒ぎしています。まぁ、プロの世界も日本のボクシング界には少なからず問題はあるけれど、これを機会に少しでもいい方向に行って欲しいものです。このような素晴らしいボクサーも出てきたことですからね、選手を大事にするボクシング界になっていってくれることを祈ってやみません。