本当に遅ればせながら・・・、ですが、先月の井上尚弥選手対ノニト・ドネア選手の試合の事を書いて見ます。本当に凄い試合でした。中々余裕がなくってこの試合の事に触れることが出来ませんでしたが、一か月以上遅れてのレポートです<(_ _)>。
世界中のメディアが今年のベストバウト候補だ、と言うほどの激戦でもあり、また感動的な試合でしたね。会場は満員のお客さんで盛り上がりました。
フィリピンの英雄、ドネア選手です。大方の予想は井上有利、私の患者さんにフィリピン系の方がいまして、必ず3ヶ月に一度検診にいらっしゃる方なのですが、その方が大のボクシングファン。よく後楽園ホールに試合を観に行くほどです。その方も自国の英雄が井上に破壊されてしまうんではないか・・・、と心配だ・・・、と話していました。
私はそこまで井上選手が有利とも思っていませんでした。彼は今までクリーンヒットを食らったことがありません。その前に圧倒的な破壊力のパンチで早い回に相手を葬って来ました。しかし今回の相手は別格、5階級制覇のハードパンチャーです。まだ打たれ強さについては未知数の井上選手がドネア選手のパンチを受けたときそうなるのか・・・?不安がありました。
試合が始まりました。すごい緊張感のある打ち合いです。この写真のように、二人とも相打ち覚悟で大きなパンチを飛ばします。まさに「肉を切らせて骨を断つ」・・・ような熱い戦いが始まりました。
第2ラウンド、井上が被弾!あとで分かった事ですが、おそらくこのパンチで井上選手は眼窩底を骨折したようです。凄いパンチでしたが、井上選手は耐えました。テストされたことがなかった打たれ強さ・・・、彼は強い!
試合中には、その骨折の事は分かりませんが、カットして出血、解説陣も心配そうにコメントしていましたね。でも井上選手はすぐにバウンスバックしました。気持ちも強いですねぇ。
暫くはお互いにパンチを貰いながらの激しい打ち合いのラウンドが続きましたが、両者とも決定的なダメージを与えられませんでした。クリーンな素晴らしいボクシングです。そして大きな山場が第9ラウンドにやって来ました。
ドネア選手の強烈な右がクリーンヒット!受ける瞬間まで目をつぶらず相手を睨む井上選手が印象的だなぁ・・・。
井上選手がクリンチに逃げたシーンを初めて見ました。
別の角度から・・・。
・・・・・、井上選手の顔が・・・、まさにひしゃげました・・・。恐ろしいパンチだ!
試合後にドネア選手は「自分のパンチにあれほど耐えたボクサーは初めてだ・・・」とコメントしていましたが、ここも耐えきった井上選手、次のラウンドにはお返しです!なんと心の強いチャンピォンでしょう!
そして運命の第11ラウンド。井上選手のボディブロー!ドネア選手の腹にめり込みました!
思わず逃げるドネア選手・・・、そして、ついに膝をつきました・・・。
この時に、10カウント過ぎたんじゃないか・・・?と言う方も多かったんだけど、ドネア選手立ち上がりました。ドネア選手の強いパンチに耐えた井上選手も凄いけど、井上のボディーブローをあれだけもろに受けて立ち上がった選手も今までいなかった!ドネアも強いなぁ・・・。
最終ラウンド、井上選手は猛攻を仕掛けますが、ドネア選手も打ち返し、耐え続けました。そして試合終了・・・。
やり切った両者・・・、笑顔で近寄ってしっかりとハグします。
この感動的なシーンに満員のお客さんも大拍手!私は観ながらウルウル・・・( ´∀` )・・・。
そしてコーナーに別れたあとも、井上選手がドネアに歩み寄って感謝の礼です。いやぁ、言葉にならない素晴らしい試合になりました。解説陣も声を揃えて感動的な素晴らしい試合だったことを伝えていました。あのダウンが無ければ難しい判定になっていたでしょうが、結果として3-0で井上尚弥選手の勝利。しかし勝ち負けを越えた感動を与えた好試合でしたね。
このあと、先ほど話したフィリピン系の患者さんからラインが入って来ました( ´∀` )。「素晴らしい試合だった。井上選手を祝福し、偉大なチャンピォンになって行くことを信じている!」とのこと・・・。私も「ドネアも凄かった・・・、最後のハグに感動した!」と返すと、「私も泣きそうになった・・・。」と返って来ました( ´∀` )。
さぁ、井上選手はこれから何処へ行くんだろう?階級を上げていくのか?このバンタム級で他団体との統一戦をして行くんだろうか・・?どうするにせよ、素晴らしいファイトをこれからも見せてくれるでしょう!これからも、村田諒太選手と共に目が離せません!期待して見て行きましょう。