新原歯科医院

院長ブログ

カテゴリ: 歯の話

冷たいものにしみる・原因不明

いろいろな原因で歯が冷たいものにしみる話をしてきました。原因がわかるとよいのですが、原因不明で痛みを感じるケースもあります。最後までわからないこともあります。

 

虫歯がなくとも、なんらかの原因(例えば外傷で)歯髄が炎症を起こしているとき、壊死に近くなれば電気歯髄診断機でわかることもあります。

 

ただ疲れがたまっていて体調不良のとき、睡眠不足のとき、原因はわかりませんが水にしみたり、咬合痛が出ることがあります。精神的なストレスがたまっているときにそういう症状が出ることもあります。

 

なぜそうなるのかわかりませんが、歯は思いもしないことから繊細な症状をともなうことがあります。

 

あるとき、ある患者さんがあっちこっちの歯が冷たいものに強くしみて、絶対虫歯だろうと信じて私のクリニックにかけこんでいらした事があります。目視でもレントゲンを撮って見ても、どこも悪いところが見当たりませんでした。

 

体調を聞くと、IT関係の仕事らしいのですが、忙しい時期で2~3週間睡眠時間が極端に少なくなっていて、徹夜も度々しているとのことでした。

 

おそらく体調によって、複数の歯が繊細で過敏になっているだけで虫歯ではないと、お話しました。しかし患者さんはこんなにしみるのに虫歯に決まっていると思っていますから、納得してくれません。

 

でも私も悪くない歯の神経をとったりするわけには行きませんから、こういうこともあるのだと言う事を何度も説明して、とにかく少しでも身体を休ませることをお願いしました。

 

とても不服そうに帰られましたが、予後を見るついでにクリーニングの予約を一週間後に入れました。当日、晴れ晴れとした表情でいらっしゃいました。仕事が一段落して2~3日ゆっくり休んだら、すっかり痛みがとれたとのことでした。

 

私も少し信頼を回復出来たし、なにより悪くないのに歯を削ったりしないですんだことが本当に良かったし、患者さんも喜んでくれてほんとうによかったと思いました。

 

人間の身体は本当にうまく出来ていると共にとても繊細でもあります。私たちは悪くなったところを元通りには出来ません。少しでも良くなるようにお手伝いしている、と言ったところでしょうか。

 

 

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アミノピュアの使い方

アミノピュアにはいろいろな効用がありますが、口内炎やアトピーのように皮膚に関する疾患だけでなく、筋肉を含めたいろいろな細胞の新陳代謝を高めたり、身心の疲れが取れやすくするような効果も期待できます。

 

また、抗うつ作用もあると言われていますし、二日酔いの予防にも良いし、皮膚に良いのだから美肌効果も期待出来るそうです。そういうところは私の関知するところではありませんけれど・・・。

 

使用する量は一日10gm程度から、と書かれていますが、激しいスポーツをされる方、そして口内炎やアトピーなど、皮膚の症状がすでに表れている方、抗がん剤の副作用(吐き気など)の予防などには、多めの量を服用することが勧められています。

 

一日20~30gm、(激しいスポーツをなさる方はもっと多く使うようです)それをしばらく続けることが重要です。一度使っただけで疲れがとれたと実感するかたもいますが、皮膚の症状が出ている方は2~3週間は続けないと効果が感じられないかもしれません。

 

効果には個人差もありますが、試してみる価値はあると思います。ジムなどでトレーニングなさっている方はゴールド・ジムのL-グルタミンパウダーをご存じの方も多いのではないかな?成分は同じですが、メーカーによって主張する有意点があると思いますが、それは使われる方が判断されればいいのでしょう。

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根管治療の後に歯が痛む話

虫歯が進行して歯髄が侵されて痛みが出た場合は、根管治療という治療をすることになります。歯髄が壊死していたり、古い根管治療のあとに根尖性歯周炎をおこしたあとも、やはり根管治療になります。

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歯の根の中に根管と言う管があり、根尖から歯冠の歯髄までをつないでいて、その中にも歯髄組織があります。それが侵されたとき、出来るだけきれいに歯髄組織を除去しなければなりません。

 

根尖(根の先端)までぎりぎりいっぱい、きれいにしたいのですが、どうしても多少は根尖の外の組織(歯根膜があり、そのまわりは骨です)を刺激します。ときおり刺激により、歯根膜が軽い炎症を起こし、術後の痛みにつながります。

 

根尖の外を刺激したくなくて、その手前で止めすぎると、感染歯髄を根尖に残してしまいます。実はその方が術後の痛みが出ないのです。

 

言い方は悪いですが、いいかげんにやった方が術後の痛みは少なく、簡単に終わります。しかし、残した歯髄が悪さをして、何年もたってから化膿性歯周炎を起こし、腫れや激痛に苦しむ確率が高くなります。

 

そうなると再治療しても成功率は7割程になるかと思います。最悪の場合は抜歯になります。

 

ですから、何パーセントかは術後の痛み、違和感が少しの間残ることはありますが、頑張って根尖まできれいにしたいのです。

 

前歯は単根で根管も太く、だいたいはまっすぐな形状ですが、大臼歯は3根(ときどき4~5根あることもあります)に枝分かれしていて、大きく湾曲していたり、かなり根管が細いときもあります。

 

極端に困難でなければ、奥歯の歯髄をきれいに除去、クリーニングするのに一時間弱あればなんとかなりますが、その根の形状によってはかなり時間がかかります。まれにはあまりに湾曲が強すぎて、殆ど完全(完全はないのですが)に治療することは不可能と言っていいこともあります。

 

術後に多少痛みが残っても、普通は一週間以内におさまりますが、まれには2~3か月咬合痛が残ることもあります。技術にもよりますが、この治療の副作用として、仕方がないところがあるのです。

 

本当に上手に根管治療を終えても、数パーセントは予後に問題が起こる、と大学で習いました。私の経験上、その通りだと感じています。

 

前にアメリカの歯科事情を書いたことがありますが、米国では専門化されていて、根管治療(歯内療法)の専門医がいて、その人たちにまかせることが出来ます。日本ではみんな自分でやるしかないので、私も若いころは講習会に行ったりずいぶん練習しました。

 

痛くならないと歯医者に来ない人が多いんですから、いやでもこの治療から始めることが多く、ある意味アメリカの専門医よりも技術が高い部分もあるかもしれません。

 

昔の日本の根の治療は、少し時代遅れな部分があって、(今は殆ど見ませんが)そういう古い治療の再治療は時々ひどく困難を極めました。アメリカではそういうケースは殆どないですから、そういう治療をする経験は得られません。その方が楽ですけれど・・・。

 

また、この治療は、昔からあまり療法の進化が見られない治療です。結局こつこつとファイルという器具で(英語でやすりと言う意味です)根管壁の感染歯髄、歯質(痛みやいろんな問題の原因ですね)をクリーニングするしかないのですから。

 

原始的といってもおかしくないくらいで、我々はたいしたことは出来ないのですね。あまりえらそうなことは言えません。

 

残念ながら私たちの力不足で、一度悪くなったものを完璧に元通りには出来ません。少しでも力になれるように日々努力はしていますが、人間の出来ることはあまり大したことではないのかもしれません。

 

なるべくあまり悪くならない内に、もよりの歯医者へ行って頂ければ・・・、とお願いしたく思います。

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治療の後で、冷たいものにしみる

虫歯の治療を終えてから冷たいものにしみるようになることがあります。大きな穴が開いていて、自分で虫歯を自覚していたかたは、理解しやすいかもでしょうか。

 

自分で気がつかないうちに深い虫歯になっていることも多いですが、虫歯が小さくとも治療後にしみるようになることがあります。

 

虫歯を取り除いた後には健全な象牙質が露出します。象牙質は、麻酔をしていない状態では非常に敏感です。ちょっと触っても、神経にさわられたような痛みを感じます。

 

冷たい水や、風をかけただけで、とってもしみます。そのむきだしになった健全な象牙質をカバーして、歯の形をもとに近い状態に戻して、治療は終わります。

 

その削り方や詰め物、かぶせものの形などは、以前書きましたが、治療マニュアルに従って行います。

 

金属のインレーやクラウンを入れると、金属は熱を伝達しますから、歯の象牙質(元は、熱をさえぎるエナメルにカバーされていましたが)は以前よりも早く熱の変化を感じて、しみるのです。

 

虫歯は歯髄まで侵されるほど深くならなければ痛みません。ですから、そこまでは深くなかった虫歯を治療すると、前はなんの痛みもなかった歯が冷たいものにしみるようになって、疑問を持たれる患者さんは多いです。

 

残念ながら一度虫歯になった歯を元通りになおすことは出来ません。どうしてもこういった副作用が出ることがあるのです。

 

でもほとんどのケースで、象牙質に2次象牙質というものが作られて、しみなくなってきます。人間の身体はほんとうに神秘的と言ってもいいくらい、よく出来ていますね。

 

でもその素晴らしい身体を少しでも傷つけず、健全に保って頂きたいものです。

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冷たいものにしみる・知覚過敏

冷たいものにしみるとき、いくつか原因があります。虫歯以外の原因もいくつかあります。そのひとつが知覚過敏です。

 

冷たいものに歯が触れると、強いしみるような痛みを感じます。多くの場合、歯ブラシで軽く触っただけで、あたかも神経にふれるような強い痛みを感じます。(軽症の場合はこれがありません)

 

歯ぐきが退縮して、根が露出しているときの歯根が非常に敏感になっている為に起こります。

 

詳しいメカニズムは証明されてはいません。いちばん一般的に信じられている仮説は、象牙細管を通して、歯髄が痛みを感じる、と言うものです。

知覚過敏

 

エナメル質の下にある象牙質には、象牙細管と言う目には見えない細い管が歯髄までつながっています。

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その中に液状のものがあり、それを通じて感覚が伝わると言われています。虫歯の治療で、エナメルは削っても痛みを感じません。(敏感な人は、振動が象牙質に伝わって痛く思う人もいますが)

 

象牙質を削ると、あたかも神経に触っているような強い痛みを感じます。ですから麻酔が必要になります。

 

歯ぐきが見えてきたから必ず知覚過敏になる訳ではありません。歯肉が退縮するまでに、表面の象牙細管がなんらかの作用でふさがれるのでしょう。

 

それが、何かの刺激で表れると、知覚過敏になります。虫歯ではありませんからあまり大ごとになる心配はありません。

 

治療としては一般的なものは、硝酸カリウムが配合された液をしみる部分に塗ります。多くの場合、すぐにしみる痛みを感じなくなります。カリウムイオンが象牙細管をふさぐと考えられています。

 

よく宣伝されている薬用歯磨きはだいたいこの成分が配合されていて、非常に効果があります。実は私も知覚過敏になったことがあり、シュミテクトで治しました。

 

昔はサンプルをくれたので、患者さんにあげていたのですが、それで治っちゃうもんで、買ってもらえないと考えたのでしょうか?最近はメーカーがサンプルをくれません。

 

知覚過敏になる原因はいろいろあるのでしょうが、固すぎる歯ブラシで研磨剤が多く入った練り歯磨きを多く使って、自分で自分の歯を削ってしまっている事があります。歯もすり減っていきますから、これには気を付けて下さい。

 カテゴリ:歯の話

痛みの種類、冷たいものにしみるとき・歯髄炎

164_pいろいろな痛みがあります。ひりひり、ズキズキ、じわ~っ、・・・。鈍痛、激痛、疝痛・・・。歯の痛みにもいろいろあって、その痛み方によって、何が起こっているか判断し、診断することが出来ます。   ズキンズキンと脈を打つような痛みのときは、虫歯の痛みではなく、歯周になんらかの炎症がおきていることによるケースが多いです。冷たいものにしみる時は虫歯が原因であることが多いです。   今回は冷たいものにしみる時、どんなことが考えられるか書いてみます。   まずは、深い虫歯です。     008     左の歯のように、虫歯が進行して歯髄(神経)に接近、歯髄が炎症を起こし始めると、冷たいものに歯が触った瞬間~1~2秒程度しみて痛みますが、すぐおさまります。   これは歯髄充血です。

 

この時点で治療すると、まだ神経を取る治療をせずともよい(詰め物、かぶせものは必要ですが)ことも多いです。   それを放置しておくと、しみる痛みが強く、長くなってきます。さほど冷たくない水にもしみて、痛みが数分、或いはもっと長い時間続きます。

 

そのうち何の刺激がなくとも、痛みが出るようになり、叩いても響くようになります。   急性歯髄炎です。多くのケースで根管治療(歯髄をとる治療)になります。   それを我慢し続けると(我慢強い人が結構います)、冷たいものにしみなくなり、熱いものにしみて強い痛みが残ります。冷たいものをあてると、逆にいたみを軽く、或いは一時的に痛みがなくなりおます。

 

これも根管治療です。それも我慢すると(本当に我慢強い人がいますね)、歯髄が壊死してしまい、痛みを感じなくなります。   しかし、それを放置しておくと、いずれ壊死した歯髄が悪さをします。根の先の穴から細菌が歯槽骨に広がり、化膿して骨の中で膿がたまり始め、それが歯槽骨を圧迫して、ズキズキと脈を打つ痛み、顔が大きく腫れることもあります。

 

これはもう虫歯の痛みではないですね。みなさん、本当に我慢しすぎないで下さいね。それだけ我慢強いのなら、歯の治療なんて、なんてことないではありませんか?   虫歯で冷たいものにしみる時の話をしました。虫歯でなくとも歯がしみたり、歯髄炎をおこすこともあります。同じ痛みでもいろいろな違う原因でおこる事があります。また、次の機会に話しましょう。

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歯の治療マニュアル

歯の治療に関して、皆さんなんとなくイメージがあるのではないでしょうか?こういう時はこんな治療になるんだろうな・・・?

 

実際には、想像していなかったような治療をうけることになったことも多かったかもしれませんね。なんでこんなにめんどくさくて、時間かかるんだろう?と疑問に思った方もいるかもしれません。

 

逆に、こんなに簡単でいいの?と思うこともあったかもしれません。(ラッキーですね)意外にシンプルに済むこともあります。

 

私も過去に、「そんなことしないで、こうして下さいよ・・・。」とか、「なんでそうしなきゃいけないの?」「え!これで終わりですか?」といろいろな反応をされたことがありました。

 

一生懸命説明して、わかって頂けた方が多いですが、どうしても信じて頂けなかったり、理解して頂けない、ただ、単に理解したくないように見える方々もいらっしゃいました。

 

ひとつ解って頂きたいのは、私たちはマニュアルに沿って治療をする、と言うことです。

 

いろいろなケースによって、こういう時はこうする。ああいう時はこうする・・・。と昔からの研究で治療法は決められています。私たちはその通りに治療を進めるだけなのです。

 

治療法は私が決められることではないのです。ケースによっては、いくつかのチョイスがあることはあります。また狭い範囲で我々がアレンジしないといけないこともあります。選択肢があるときは、メリットデメリットを示し、患者さんに決断して頂くことになります。

 

ただ、基本的な治療法から逸脱することは出来ません。それは治療とは言えなくなるからです。ですから、患者さんがこうしたい、と言っても出来ないこともあるのです。

 

また私たちがかってに治療法を発明して、行ってはいけません。新しいことを臨床に応用するには、患者さんの了承のもとに症例を重ね、学会の審査を受け、多くの同僚による追試を受け、学会がこれは安全で、古い治療より効率的、いろいろな意味で有用、有効である、と判断された治療法だけを、私たち一般の臨床家が行ってよいのです。

 

自分で、これは簡単でうまくいきそうだから・・・、という理由で新しい治療をする・・・、と言うのは治療とは言えません。多分・・・、大丈夫・・・、だと思う・・・、ではダメです。遊びじゃないんだから。

 

提言は多数の人によって科学的に有効であることを示さなければいけないのです。そしてそれは基本的な事を大事にして、進歩していきます。基礎、基本がしっかりしていなければ、家は建てられないのと同じです。

 

これはどんな仕事でも、スポーツでも、音楽、アートでも、同じですね、基本、基礎をしっかり身に付けなくては次のステップに行けません。

 

残念ながら、基本を軽んじて、すぐにかっこいいことをしたがる人が(きっと、どんなジャンル、業界でも)少なくないように感じます。(私の個人的意見で、学会を通したわけではないので、「感じる」です)

 

私はスポーツおたくなので、いろんな有名なスポーツ選手のコメントを覚えていますが、みな、同じように、BASIC,FUNDAMENTAL の大切さを語っていました。ミュージシャンもそうですね。スティービー・ワンダーも「基本、そして、練習、練習、練習!」と、言っていましたよ。

 

以前は若い代診の歯医者さんと一緒に仕事していた期間も長かったのですが、基本的なことを一から教え直さないといけないこともありました。きっと、今はいい歯医者さんになって、地域に貢献していることと思います。

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穴が見えない虫歯

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いいイラストが見つからず、自分で書いてみました。下手な絵でゴメンナサイです。

 

a: エナメル質、と言います、とても固くてなかなか虫歯の穴が開きません。

b: 象牙質、です。さわると固いですがエナメルより硬度はだいぶ落ちます。ここまで虫歯が進むと、進行は急に早くなります。虫歯になると、とても柔らかくなります。

c: 歯髄、です。なかに神経、血管などが入っています。ここまで虫歯が進むと歯髄炎をおこし、強い痛みが出ます。

 

2 のように噛む面や他の見える場所から虫歯が出来ると、患者さんにもわかるのですが、1 のように歯の隙間から虫歯が進むと、虫歯の穴が目視出来ませんから、我々歯医者でもレントゲンを見ないとわかりません。

 

虫歯が深く広く象牙質を侵して行くと、虫歯になった象牙質は柔らかくなってエナメル質を支えきれなくなります。固いものを噛んだ時に、薄いエナメル質が崩れて大きな穴が開きます。患者さんは初めて虫歯があることに気づき、急に虫歯が出来たと勘違いする方々が多いです。

 

それぐらい虫歯が大きくなると、まだ痛みがなくとも歯髄が侵され始めていることも多いのです。結局神経を取る治療をせざるを得なくなります。

 

右の歯の虫歯のように小さいうちに発見して治療すれば、簡単に小さな詰め物をするだけで済みますから、時間もかからないし、歯の健全な部分を大きく残すことが出来ます。でもこれくらいの虫歯は患者さんが気づきようがないわけです。

 

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実際のレントゲンの映像です。犬歯の側面に大きな虫歯が見えます。丸で囲ってある黒い部分です。虫歯になると歯が柔らかく(とけていくような感じ)なりX-線が透過します。そのためフイルムが感光し黒く映ります。歯髄は軟組織ですからやはり黒く映ります。

 

この歯の場合はレントゲンで見る限り、明らかに歯髄まで届いています。多くの場合、冷たいものにしみる、と言った程度の症状しかありませんが、根の治療(神経をとる治療)になります。

 

前歯の場合は歯が薄いので、歯のすきまからの虫歯でも大きくなるとエナメルを透けて、黒ずんで見えて来ることも多いので、患者さんもなんか変だなぁと思う方もいらっしゃいます。もしおかしいと思ったらすぐに歯医者に行って下さい!

 

皆さんお仕事をなさっていて、自分の専門外の他の仕事をなさっている方がどんなことをしているのか、なかなか想像がつかなくありませんか?歯のことも、自分で思い込んでいることとは全く違う結果になることも多いのですから、是非プロに相談して頂けたら・・・、とお願いしたいと思うのです。(出来れば根管治療をしたくないものですから。)

 

 

 

 カテゴリ:歯の話

アメリカの歯医者の話

どこの国も、どの町のどの歯医者もあまりシステムの違いはなく、同じような事をしている、と漠然と感じている方多いんじゃないかな?自分もそうでしたからね。アメリカの歯科大を出たと言うと、じゃぁ6年間もアメリカにいたの?と聞かれます。

 

アメリカの歯科、医科大は4年が普通です。日本で言う進学課程(医、歯学部の初めの2年)にあたる部分は4大でやっているからです。またその単位を取ることが医科、歯科大の受験資格になります。

 

ですから殆どの学生は4大を卒業して来ますから、トータルで最低8年かかります。私は途中少し休んだこともあり、10年かかりました。少数ですが受験資格を得るための最低限の単位をオールAに近い優秀な成績を取り、また良い推薦状のある学生は大学2年を終えたところで受験(歯科大を)して合格する人もいまして、そういう学生たちは6年で終わります。

 

逆に4年制大学を出たあとに大学院に進学し、修士号をとってから入る人もいたり、一度社会人として数年仕事をして資金を貯めてから入る人もあり、さまざまです。また軍隊に行ってから除隊して入る人もいます。彼らには政府が資金援助をしてくれて、軍に入るといろいろな特典があるようです。

 

ですからアメリカの歯科大の1年生は日本の3年生にあたる訳ですが、私の同級生(100人弱いましたが)の入学時の平均年齢は25歳でした。日本では考えられないのではないでしょうか?その違いから始まり、入学すると専門課程から入りますが、1年目の終わりから臨床(実際に患者さんの治療をします)をはじめます。

 

4年の間にかなりの臨床をこなします。それが必要な単位数の一部で、例えば口腔外科のクラスの単位を取るには卒業までに最低20本の抜歯を経験しなければいけません。自分の担当患者を初診から治療終了まで20人ほど(だったかな?正確には覚えてません。もう30年前のことなので)こなさなければいけません。

 

ですから基本的な治療は殆どある程度の数をこなすことになります。それもステップ・バイ・ステップで指導医のチェックを受け、詰め物一つ入れる治療を終わらせるためにいくつもハンコを押してもらわないといけませんでした。だからクリニックでは優しい先生の前にはいつも長い行列が出来ました。

 

そんなシステムでしたから、治療のベーシックは卒業するまでに叩き込まれました。日本に帰って来て勤め始めた時に同僚に日本の大学での履修課程などを教えてもらいましたが、そういう点については日本とアメリカはかなり違っていたようです。専門医制度もだいぶ違うようです。

 

私は根の治療(根管治療:Endodontics)が大嫌いで、大学を出たらやらなくてよくなると(アメリカでは専門医にやってもらえるからです。)期待していたのですが、(私も日本でも同じような制度があるのかと思い込んでいました。)日本に帰ってみると、すべて自分でやらなくてはいけなかったんですね。

 

いろいろと講習会に行き勉強、練習して、逆にかなり自信をつけましたけどね。アメリカでは矯正、外科、歯内療法(根の治療)、歯周病科、小児歯科、等は歯科大を出たのちに大学院へ進み、卒業後に専門医の試験を受け合格した者が専門医になります。彼らは自分の専門以外のことはしません。ですから一般開業医(General Practician)は難しいケースは専門医に紹介します。専門医がその専門の治療をしたあとに患者さんはまたもとのGPの治療を受けるという訳です。

 

結構違いがありますね。ちなみにインプラントはアメリカでは口腔外科の専門医が入れ、その上にかぶせる補綴物は一般開業医が行うという分業制が普通らしいです。私がインプラントをしないのは自分は口腔外科の専門医でも歯周病の専門医でもなく(もちろんそれらの初期治療には自信を持っていますが)一般開業医(GP)であると言う誇りをもっているからです。

 

また機会があったらいろいろな違いであったり、参考になることを書いてみたいと思います。

 

 

 カテゴリ:アメリカの歯医者の話, 歯の話

口内炎とアミノピュア(L-グルタミン)

虫歯ではなく口内炎に悩まされる人も多いですね。口の中の粘膜の傷ですが、原因はいくつかあるようです。癌の治療の副作用として出る事も頻繁にあります。

 

L-グルタミンと言うアミノ酸があります。うまみ成分のグルタミン酸とは違うアミノ酸です。ボディビルをする人、いろいろなスポーツをする人たちにはよく知られたアミノ酸です。筋肉の崩壊を予防し、再生を促進する効果があります。

 

これが口内炎の予防、治療にもとても効果があります。私はL-グルタミンパウダーのアミノピュアと言うサプリメントを患者さんにすすめています。粘膜の栄養になり、免疫を高めることや、再生、創傷促進効果が認められています。口腔がん(口腔がんに限りませんが)の治療で放射線や化学療法をうけていらっしゃる患者さんの多くがひどい口内炎に悩まされますが、その予防、治療に効果があることは医療の現場でよく知られています。

 

アミノピュアを使うようになってから、口内炎の治りがよい、口内炎をおこすことが少なくなった、と喜ばれる方は多いです。他にもいろいろな効果があります。興味のある方はL-グルタミンについてネットで調べて頂くと詳しい情報を得られるでしょう。筋トレをする人やランナーの方々以外にもこれからますます広まって行くだろうと思っています。

 

実は皮膚を健康を保つことにも非常に良いらしく、歯とは関係ないのですが、美容、アンチエイジングにもよいとか・・・。またアトピーを持つある患者さんがこれを使い始めてからアトピーの症状がかなり改善されたという話も聞いています。そう言う悩みを持つ方は試してみる価値があるかと思います。

 

 

 

 

 カテゴリ:歯の話

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