いいイラストが見つからず、自分で書いてみました。下手な絵でゴメンナサイです。
a: エナメル質、と言います、とても固くてなかなか虫歯の穴が開きません。
b: 象牙質、です。さわると固いですがエナメルより硬度はだいぶ落ちます。ここまで虫歯が進むと、進行は急に早くなります。虫歯になると、とても柔らかくなります。
c: 歯髄、です。なかに神経、血管などが入っています。ここまで虫歯が進むと歯髄炎をおこし、強い痛みが出ます。
2 のように噛む面や他の見える場所から虫歯が出来ると、患者さんにもわかるのですが、1 のように歯の隙間から虫歯が進むと、虫歯の穴が目視出来ませんから、我々歯医者でもレントゲンを見ないとわかりません。
虫歯が深く広く象牙質を侵して行くと、虫歯になった象牙質は柔らかくなってエナメル質を支えきれなくなります。固いものを噛んだ時に、薄いエナメル質が崩れて大きな穴が開きます。患者さんは初めて虫歯があることに気づき、急に虫歯が出来たと勘違いする方々が多いです。
それぐらい虫歯が大きくなると、まだ痛みがなくとも歯髄が侵され始めていることも多いのです。結局神経を取る治療をせざるを得なくなります。
右の歯の虫歯のように小さいうちに発見して治療すれば、簡単に小さな詰め物をするだけで済みますから、時間もかからないし、歯の健全な部分を大きく残すことが出来ます。でもこれくらいの虫歯は患者さんが気づきようがないわけです。
実際のレントゲンの映像です。犬歯の側面に大きな虫歯が見えます。丸で囲ってある黒い部分です。虫歯になると歯が柔らかく(とけていくような感じ)なりX-線が透過します。そのためフイルムが感光し黒く映ります。歯髄は軟組織ですからやはり黒く映ります。
この歯の場合はレントゲンで見る限り、明らかに歯髄まで届いています。多くの場合、冷たいものにしみる、と言った程度の症状しかありませんが、根の治療(神経をとる治療)になります。
前歯の場合は歯が薄いので、歯のすきまからの虫歯でも大きくなるとエナメルを透けて、黒ずんで見えて来ることも多いので、患者さんもなんか変だなぁと思う方もいらっしゃいます。もしおかしいと思ったらすぐに歯医者に行って下さい!
皆さんお仕事をなさっていて、自分の専門外の他の仕事をなさっている方がどんなことをしているのか、なかなか想像がつかなくありませんか?歯のことも、自分で思い込んでいることとは全く違う結果になることも多いのですから、是非プロに相談して頂けたら・・・、とお願いしたいと思うのです。(出来れば根管治療をしたくないものですから。)