新原歯科医院

院長ブログ

お歯黒と虫歯

先日、テレビでタイの映画をやっていました。なんか面白そうでついつい最後まで見ました。あれっ?男性の主人公たちがお歯黒をしていたのです。

 

日本だけではなく他の国でもそういう習慣があってもおかしくはありませんが、ちょっと意表をつかれました。

 

タイでは現代でも少数民族の一部にお歯黒をする習慣が残っているんだそうです。昔は日本のように全国的に流行っていたんでしょうかね?

ohaguro1映画「愛しのゴースト」より

 

日本では最近は時代劇では見られなくなって来ましたが、昔の時代劇ではよくお歯黒をした女性が出ていました。子供の頃は訳がわかっていませんでしたから、気持ち悪く感じたものです。

 

でもそれは平安時代には上流社会の女性のお洒落だったわけですね。徐々に庶民にも広まり、女性のみならず、男性貴族や武士もお歯黒をしていたようですが、明治時代でその風習は消え去りました。

oha

 

お歯黒をしていた方々が知っていたのかどうかわかりませんが、実は虫歯予防に有効な方法でもありました。

 

日本のお歯黒には植物のタンニン(渋)と「鉄漿(かねみず)」と言われる酢酸に鉄を溶かした溶液を混ぜたものを使いました。

 

その成分の特性により、歯を被覆し、また耐酸性を強める効果があったことから、虫歯予防にはとても効果のあるものになりました。詳しい事はネットですぐに調べられます。歯科のサイトでも多く取り上げられています。

 

この成分を元に作られた歯科用の薬剤もあります。フッ化ジアミン銀製剤は「サホライド」と言う製品名で子供の虫歯予防、また虫歯の進行を抑制するためによく使われました。また多くの合着用セメントにも配合されて使われて来ました。

 

最近は使用頻度は減っているようですが、昔は歯を黒くした子供をよく見かけたものです。今ほど小児歯科が発達しておらず、麻酔も使われなかった時代には怖がる子供に治療することが難しく、乳歯の場合はサホライドを塗って虫歯の進行を止める事で対処したことが多かったのです。

 

私が子供の頃は「味噌っ歯」と言われる黒くて欠けた歯をした子供がいました。今は見る事がないですね。虫歯で黒く欠けた歯にサホライドを塗るとさらに黒くなるんです。

saho

 

そう、言わば子供たちにお歯黒をしていたのですね。ひょんなことからお歯黒がリバイバルしたわけですが、もうそれもかなり見られなくなりました。「味噌っ歯」という言葉も聞かなくなりましたね。

 

ところで私にサホライドを思い出させた映画ですが、「愛しのゴースト」と言うタイの映画でした。一昨年に公開されたようですが、タイでは大ヒットして、あの「アナと雪の女王」を凌ぐメガヒットになったそうです。

go-suto

 

ホラー・コメディー・ラブ・ファンタジー・・・、とでも言うのでしょうか?いやぁ、面白かったなぁ。

 

 

  カテゴリ:よもやま歯なし

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