本当に遅ればせながらですが、昨年末の世界ミドル級タイトルマッチ、村田対バトラー戦のレポートです。
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戦前の予想では圧倒的に村田選手有利、そして結果的にその通りの試合となりました。
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この人(ジミー・レノン・ジュニア)がリングアナウンサーを務めると言う事だけでもすごい事です。村田選手の実力と、プロモーターのボブ・アラムさんの力ですね。
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静かに始まったこの一戦、初めは挑戦者のバトラーのが結構プレッシャーをかけ、いくつかいいパンチを村田に見舞いました。
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しかし回を追うごとに村田諒太選手の攻勢が上回って来ました。前回の試合同様にガードの上からでも強引に打って行きます。綺麗に決めようとチャンスを待ち過ぎてはいけません。バトラー選手にダメージが蓄積されて行きました。
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そして第5ラウンド・・・!
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レフェリーが試合を止めました。見事なKO勝利!ボクシング好きの患者さんから「Good KO for Murata! Congratu!」とラインが入って来ました( ´∀` )。
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ちょっと実力の差を見せつけた試合になりましたね。
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バトラー選手、なすすべもなく散りました。
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ここではまさに相手の左ガードを破壊したかのような強力なパンチがヒットしています。
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そしてガードが弾かれて無防備になった顔面に返しの左がクリーンヒット!これを耐えられるボクサーはいません。村田選手は強い!
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試合前には挑戦者のKO率などから、強力なチャレンジャー!という声も聞こえましたが、実は下のクラスから上がってまだ間もない選手だったようです。試合後に彼のセコンドからは「勝てないとは分かっていたが、こんなチャンスは二度とないかも知れない、受けるしかない試合だった・・・」と話していたそうです。
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村田選手も序盤に被弾してましたから、左目のあたりは結構腫れてました。彼はタフだなぁ・・・。でもこの程度のボクサー(なんて言ったらバトラーさんに失礼だけど・・・)に負けているわけには行きません。「今度はリアルなファイトがしたい」と話していた村田選手です。井上vsドネア戦を見たばかりの彼です。ああいうアツい試合がしたいのは当然でしょう。
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アルバレスが村田との試合に興味を持っている・・・、と伝えられています。あとは資金力・・・。重量級のタイトル戦、アルバレスやゴロフキンと言う強者たちのファイトマネーは軽量級のものとは比較になりません。そして政治的な力もきっと必要なんだと思います。村田選手も、そして私たちボクシングファンも強く望んでいるビッグマッチは実現するのでしょうか?バトラー選手にとってこんなチャンスは無かったわけですが、村田選手にとってもそういうビッグマッチのチャンスを得るのは非常に難しい事です。
かつて日本ボクシング界史上最強王者の一人だった内山高志選手はとうとうそういうビッグマッチに恵まれないままピークを過ぎて引退しました。村田諒太選手ももうそれほどは若くないですから・・・、なんとか今年いい方向に行ってそういったビッグネームとの試合での彼の活躍を見たいものです。期待しています。
2020年1月25日 カテゴリ:スポーツの話